2019年7月6日、大阪府南部にある百舌鳥・古市古墳群がユネスコにより世界文化遺産に登録された。
中でも有名なのが、百舌鳥古墳群(堺市)にある仁徳天皇陵(大仙陵古墳)だろう。
仁徳天皇陵は、クフ王のピラミッドや秦の始皇帝墓陵と並ぶ世界三大墳墓と言われており、全長では仁徳天皇陵が他の2つを上回る。
ところで、仁徳天皇陵がある堺市に、クフ王の墳墓ほどではないとはいえ、ピラミッドがあるのをご存知だろうか。
それが堺市中区にある土塔(どとう)である。
土塔が築かれたのは、仁徳天皇陵(古墳時代)よりも新しい時代の奈良時代、727年のことだった。
行基が60歳の時、大野寺を創建した際にピラミッドのような階段状の土塔を築く。
発掘調査によると、土を盛り上げた一辺53.1m、高さ8.6m以上の十三重の塔で、各層には瓦が葺かれていたという。
土塔の全面に約6万枚もの瓦が葺かれ、各層の垂直面にも瓦を立てて風雨による盛土の崩壊を防いでいた。
土による塔が作られたのは、この土塔が初めてである。
大きさも日本最大と言われていおり、現存するのは堺の土塔と奈良の頭塔の2つだけだという。
2009年、当時の姿に復元され、現在では国指定の重要文化財になっている。
それでは、土塔がある土塔町公園を見てみよう。
西および南側から見ると、瓦が積んである
近付いてみると、瓦はこんな感じ
東および北側には草が生えている
公園内には土塔の模型もある
仁徳天皇陵をはじめとする百舌鳥古墳群に行った際には、土塔も訪れてみてはいかがだろうか。
最寄り駅は泉北高速鉄道の深井駅で、そこから歩いて1.1km、あるいは南海バスの堺東駅前行きに乗車、深井東町バス停で下車してすぐの所にある。
もしくは、仁徳天皇陵に近い南海高野線の堺東駅から深井駅行きの南海バスに乗り、やはり深井東町バス停で下車すればよい。