かつて大阪府富田林市の、近鉄長野線の富田林駅近くに西友があった。
地上4階建ての大型スーパーで、1階は生鮮食品店が入るジャンボスクエアという店舗になっており、屋上はゲームセンターだったのである。
西友になる前は富田林デパートという、たいそうな名前だった。
筆者は生まれてからずっと、同じ富田林市内でも南海高野線の金剛駅(駅の所在地は大阪狭山市)近くに住んでおり、当時はそこにジャスコがあったが、2階建てで(1階はジャスコ、2階は上新電機)エスカレーターやエレベーターはなく、階段しかなかった。
その後、富田林駅の沿線(駅へはバスで行かなければならなかったが)に引っ越し、西友に行くと4階建てでエスカレーターまで付いており、本当にデパートに見えたものだ。
当時、富田林市内にエスカレーターのある店舗は、西友以外には無かったのではないか。
もっとも、西友富田林店には下り用のエスカレーターはなく、また4階建てながらエレベーターすらないという、今では考えられない大型スーパーだったが。
とはいえ、西友の中にはチケットセゾンが入っており、コンサートなどの前売り券は西友へ買いに行っていたものだ。
富田林市内の近鉄沿線側で、前売りチケット売り場は西友ぐらいしかなかっただろう。
1976年にはダイエーが富田林駅周辺に進出してきて(地上3階、地下1階で、上下エスカレーター付きだったが、エレベーターはなし)、2つのスーパーはしのぎを削ってきた。
しかしバブルが崩壊し、1998年に西友は撤退を余儀なくされる。
その後、1階のジャンボスクエアは残り、2階以上はボウリング場になったり、それが撤退するとカラオケボックスが入ったりしていた。
遂に富田林にもボウリング場が出来たかと感慨深いものがあったが、このボウリング場はレーンがしょっちゅう故障して、ボールを投げた後にピンがセットされていないことが何度もあった。
こりゃすぐに潰れるなと思っていたが、案の定まもなく撤退した。
そして2018年2月28日、ジャンボスクエアも撤退して遂に富田林デパートは長年の歴史に幕を閉じたのである。
それより前、2015年8月31日には、ダイエー富田林店も閉店した。
現在では、ダイエー跡はスーパーのコノミヤと、家電量販店のエディオンが営業している(1階はコノミヤ、2階はエディオンで、地階および3階はなくなったが、エスカレーターとエレベーター付き)。
ジャンボスクエア撤退後も建物は残り、建物前の敷地内はコイン・パーキングとなっていた。
しかし現在では、富田林デパートからの建物も、立体駐車場も全て取り壊され、さらにコイン・パーキングも撤退し、完全な更地となったのである。
今後、西友跡地はどのように利用されるのだろうか?
西友撤退後も、ジャンボスクエアが営業していた。2015年9月撮影
上の写真と同じ角度から。2019年6月撮影
上記写真の反対側にあった立体駐車場。2015年9月撮影
立体駐車場も完全に取り壊された。2019年6月撮影
西友の北側には個人商店が並んでいた。2015年9月撮影
西友北側の個人商店は立ち退き、ドラッグストアになっている。2019年6月撮影