新年の挨拶が随分遅れてしまったが国民の諸君、明けましておめでとう。
国王は1月3日に、初詣に行ってきた。
近鉄電車でいえば吉野線の終点である吉野駅の一つ手前に、吉野神宮駅というのがある。
近鉄吉野線(近鉄南大阪線と直通)沿線には橿原神宮という有名な大社があるが、ここは大勢の人でごった返す上に大渋滞となるから、今年は吉野神宮にしたわけだ。
今年は電車利用ではなく、車で行った。
近鉄電車で行くと橿原神宮よりも遥か遠くになるが、車だと案外近い。
というのも、近鉄吉野線はかなり蛇行しているので遠回りになるのだが、車だと我が家から吉野神宮まで一直線に行けるのだ。
1時間ほどで吉野神宮に着いたが、大渋滞の橿原神宮へ行くよりも早かったかも知れない。
しかし、吉野神宮駅周辺に到着してからが困難だった。
駅の近くには大きな鳥居があるものの、参拝客らしき人はいない。
ここには吉野神宮はないと思い、山道を車で走らせた。
しばらく走っていると、吉野神宮の駐車場という看板が出て来た。
どうやらここが吉野神宮らしい。
ここに車を停めたが「1時間無料」という看板がある。
無料なのは有り難いが、たった1時間で初詣を済ませよとは……。
1時間を超えたら、どれだけの駐車料金を取られるのだろう?
だが、その心配は杞憂に終わった。
車を降りると、参拝客はまばら。
出店も申し訳程度にあるばかり。
初詣らしい賑やかさなんてありゃしない。
1月3日ということもあるのかも知れないが、元日にはどれだけの人が訪れたのだろう。
おそらく、1月3日と大差はなかったのではないか。
1月3日でも大勢の参拝客で賑わう橿原神宮とは大違いだ。
吉野神宮駅は、特急停車駅なのに。
もっとも、吉野神宮駅から吉野神宮まで1kmも山道を歩かなければならないという、不便な場所にあるのだが。
吉野神宮の鳥居。人影はまばらで、あまりにも寂しい
おみくじも売っていたが、今年は引かなかった。
何しろ200円もするのである。
例年ならネタになるだろうと思って無駄な出費と知りつつ買うのだが、今年はその気も失せていた。
だいたい、こんな紙切れに200円(100円でもそうだが)のバカ値を付けるなんて、ボッタクリもいいところである。
まさしく坊主丸儲けだ。
おっと、神社には坊主はいなかったか。
後で調べてみると、吉野神宮というのはさほど歴史は古くないらしい。
明治時代に明治天皇が、後醍醐天皇をしのんで創建したとのことだ。
後醍醐天皇と言えば、武家社会の鎌倉幕府を打倒し、「建武の新政」として再び天皇中心の政治を行った人物として知られる。
だが、後醍醐天皇が行った建武の新政は武士たちの反感を買い、足利尊氏によって僅か2年で崩壊した。
その後、足利尊氏は室町幕府を開いて武家政権を築き、京都に新たな天皇を迎えたのである。
しかし後醍醐天皇は吉野に逃げ落ち、南朝として天皇としての存在をアピールした。
だが、室町幕府三代将軍の足利義満がこれを平定し、京都にある北朝方の天皇が正統となったのだ。
アニメの「一休さん」に登場する将軍様とは、足利義満のことである。
明治天皇は傍系となってしまった南朝を不憫に思い、根拠地だった吉野に吉野神宮を創建したのだろう。
吉野神宮の正門
ハッキリ言って見るべきものは特になかったので、1時間も満たない間にとっとと吉野神宮を後にした。
このまま帰ってしまうのはあまりにも味気ないので、橿原神宮の近くにあるイオンモール橿原店に寄ってみることにしたのである。
それまでは渋滞とは無関係だったが、橿原神宮に近付くにつれて、交通量が増えて来た。
反対車線、即ち橿原神宮に向かう道は、車がピクリとも動かない大渋滞である。
やっぱり橿原神宮に行かなくて良かったと思いつつ、イオンモール橿原店に車を走らせた。
しかし、イオンモールに近付くとやはり大渋滞。
なんとか駐車場には入れたものの、今度は駐車スペースを探すのに一苦労。
この日は臨時駐車場まで開放していたのに、ほぼ満車状態だった。
橿原は結構な田舎だけど、これほどまでの大型ショッピングセンターは、周りにはないもんなあ……。
結局は、大渋滞にハマってしまったわけだ。
なにはともあれ、今年もよろしくお願い申しまする。