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ネターランド王国憲法

第1条 本国の国名を「ネターランド王国(英名:Kingdom of the Neterlands)」と言う。
第2条 本国の国王は「禁句゛(=きんぐ)、戒名:安威川敏樹」とする。
第3条 本国は国王が行政・立法・司法の三権を司る、絶対王制国家である。
第4条 本国の公用語は日本語とする。それ以外の言語は国王が理解できないため使用禁止。
第5条 本国唯一の立法機関は「日記」なる国会で、国王が一方的に発言する。
第6条 本国の国民は国会での「コメント」で発言することができる。
第7条 「コメント」で、国王に不利益な発言をすると言論弾圧を行うこともある。
第8条 「コメント」で誹謗・中傷などがあった場合は、国王の独断で強制国外退去に踏み切る場合がある。
第9条 本国の国歌は「ネタおろし」とする(歌詞はid:aigawa2007の「ユーザー名」に記載)。
第10条 本国と国交のある国は「貿易国」に登録される。
第11条 その他、上記以外のややこしいことが起きれば、国王が独断で決めることができる。

醜態を晒した日本ラグビー協会

いったい何なんだ?この光景は!?

テレビ画面を見て、そう思った。

ラグビートップリーグ開幕戦でのことである。

 

今年(2015年)にイングランドで行われたラグビー・ワールドカップで日本代表は、優勝候補の南アフリカスプリングボクス・今W杯では3位)を破り、通算3勝1敗というかつてない好成績を収め、日本中にラグビー・ブームを巻き起こしたのは周知のとおり。

W杯後に行われるトップリーグも、前売り券の完売情報が流れ、当然のことながら11月13日の開幕戦、パナソニック・ワイルドナイツ×サントリー・サンゴリアスのチケットも完売していた。

ところが――。

 

蓋を開けてみると、秩父宮ラグビー場のメインスタンドである指定席は満員だったものの、バックスタンドの自由席は中央部分はギッシリだったが両端はガラガラ。

もちろん、ゴール裏は両方ともほとんど客が入ってなかったのである。

これならラグビー早慶戦の方がよほど客が入っているぐらいだ。

主催者発表によると、この日の観客動員数は1万792人。

去年度の開幕戦よりも370人少ない。

秩父宮ラグビー場の定員である約2万人の半分だ。

チケットは完売のはずなのに、これはどういうことなのか。

 

そのカラクリは、前売り券の販売方法にある。

この試合に登場するパナソニックサントリーという企業に対し、9千枚のチケットを割り当てていたのだ。

そのため、前売り券は5千枚しか発行してなかったのである。

前売り券が5千枚では、ラグビー・ブームだったら売り切れるのは当たり前だ。

それでも、前売り5千枚と、企業分9千枚だったら合わせて1万4千枚なのに、残りの6千枚はどうなった?

 

ここにも重大な秘密があって、日本ラグビー協会(JRFU)が発行する年間パスポートという物が存在するのだ。

価格は18,500円で、このパスポートさえあればトップリーグ全試合を観ることができる。

しかも、JRFU会員だったら、13,500円という超安値だ。

13,500円なんて、ちょっとしたコンサートや演劇のSS席、格闘技のリングサイドだったら、1回公演でそれぐらいは取られるだろう。

トップリーグでの自由席は1600円(前売り券は1350円)なので、8回も観に行けば充分に元が取れる。

カードにかかわらず、パスポートさえあれば自由席に限り、どんな試合でも観られるのだ。

 

だが、前売り券が完売してしまったらどうなる?

せっかく年間パスポートを買ったのに、席が空いていなければ入ることはできない。

そういう客のために、席を空けておく必要があるのだ。

今回の開幕戦でも、発売しなかった6千枚は年間パスポートの客用でもある。

それでもこの客たちは、開幕戦に来るかどうかもわからないのだ。

 

この点では、プロ野球での年間指定席とは違う。

プロ野球の年間指定席はかなり高額で、しかも座る席が決まっているから、チケットが売り切れようが何しようが、座れないことはない。

しかもこれは、特定のチームでのホームゲームに限るチケットであり、どんなカードでも観に行けるわけではないのである。

まあ大抵は、大手企業が買い取って、接待用に配るのであるが。

 

他にもJRFUではFOR ALLチケットという物も販売していて、5枚1組で5500円というお得なチケットだ。

これもどんなカードでも自由席での観戦が可能で、5人で仲良く観に行ってもいいし、1人で5試合も観ることができる。

 

さらに追い打ちをかけるように、各チームにはファンクラブが存在しており、会員になればそのチームの試合なら自由席での観戦が可能なのだ。

たとえばあるチームのファンクラブなら、2500円で入会でき、そのチームの試合はホーム、ビジターにかかわらず、全て観戦できる。

前述したように、自由席は1600円なのだから、2回も観戦すれば元が取れてお釣りが来るのだ。

実は筆者も、このチームのファンクラブに問い合わせした。

「もし会員になった場合、前売り券が完売しても入場できますか?」

と。

しかし、応対した人の説明はしどろもどろだった。

「まず、そのようなことはないかと思いますが、入場制限の決定は日本協会が判断するので、こちらといたしましては、その決定に従わざるを得ません」

「つまり、会員になっても入場を保証するわけではない、ということですね?」

「はあ、そういうことになりますね」

要するに、基準があやふやなのだ。

 

さらに、ダフ屋の問題もある。

W杯でのラグビー人気を見込んで、ダフ屋がチケットを買い占めたことは、想像に難くない。

反社会勢力は、儲かることに関しては実に敏感なのだ。

おそらくJRFUには、ダフ屋対策のノウハウもなかったのだろう。

超人気のUSJでもダフ屋対策に追われていて、ようやく今月にダフ屋への対抗策が行使されたぐらいである。

JRFUがダフ屋に対して、何の対策もできなかったのは当然であろう。

 

一般客と企業客に加えて、パスポート客とFOR ALL客および各チームのファンクラブ客、さらにダフ屋。

これだけ不特定多数の客がいれば、安易に前売り券を売り出せないのは当然だ。

そしてJRFUは、それらの事に対応できなかったのである。

 

JRFUは、ラグビーを日本中にアピールする絶好のチャンスを失った。

せっかくのラグビー・ブームだったのに、醜態を晒してしまったのである。

今年度のトップリーグは、例年とは比べ物にならないほど、かなりの注目を浴びていた。

話によると、試合前から各マスコミのヘリコプターが秩父宮ラグビー場の上空を舞い、開幕戦を報道しようとしていたのである。

さらに、チケットが完売したと聞いて、19時の試合開始にもかかわらず、8時間前の11時から並んでいる客もいたとのことだ。

しかし試合が始まってみると、スタンドの半分しか客は埋まっていない。

 

今季のラグビー・ファンは、期待と不安の両面を抱えていた。

トップリーグは各会場とも満員となって、ラグビーは相当盛り上がるのでは、という期待。

その反面、たとえ年間パスポートやファンクラブ会員証を持っていても、入場できないのではないか、という不安。

しかし、今季の開幕戦では、その期待と不安すら裏切られたのである。

 

悪天候も災いした。

この日の東京地方の天気予報は雨であり、実際に試合中にはかなりの雨が降っていた。

屋根があるメインスタンド(指定席)ですら、かなりの雨風が吹き込んでいたという。

こんな日に、企業優待客がわざわざ来るとは思えない。

さらに、チケット完売情報を聞いて、多くの年間パスポート客やファンクラブ会員は、来場を断念したのである。

しかし実態は、JRFUの不手際により、充分に来場は可能だった。

 

元々JRFUは、固定客に頼り過ぎていたきらいがある。

年間パスポート客もそうだし、各チームのファングラブもそう。

一般にラグビーを広めるよりは、安定した収入を見込んだのだ。

 

かつて、ラグビーは野球に次ぐ人気スポーツだった。

今の人には信じられないだろうが、サッカーの日本リーグ(Jリーグの前身)が千人程度しか観客を集められなかった頃、ラグビー早明戦には国立競技場に6万人の大観衆が詰め掛けていたのである。

この頃、サッカー協会のスタッフはラグビー協会に出向き、

「どうすれば、観客を集めることができるのですか?」

と尋ねたほどだ。

ラグビー協会の答えは、こうだった。

ラグビーは集客努力をしなくても、観客は集まって来るのですよ」

要するに、JRFUは観客動員に対する努力は、何もしてなかったのである。

 

しかし、1993年にJリーグが発足して、ラグビーとサッカーの人気が逆転した。

さらに、1995年のラグビー・ワールドカップで日本代表はニュージーランドオールブラックス)に17-145という大敗を喫し、ラグビー人気の低下に繋がったのである。

 

Jリーグ発足から10年後の2003年、ラグビーもかつてのノックアウト式トーナメント制の社会人ラグビー大会を発展的解消し、トップリーグを発足した。

しかしレベルアップには貢献したものの、人気上昇には繋がらなかったのである。

そこでJRFUが採った政策は、ラグビーを一般的に普及させることではなく、固定客の確保だった。

 

テレビ中継では、地上波放送を手放し、安定した収入を得られるJ-SPORTSという有料CS放送(当時。現在は有料BS放送)にシフトしたのである。

ラグビー・ファンは、試合中でも無神経にCMを入れる地上波中継に辟易していた。

そこに現れたJ-SPORTSという、試合中には絶対にCMを入れないテレビ中継に、ラグビー・ファンは飛びついた。

しかも、試合時間が伸びても試合終了まで確実に放送してくれる。

さらに、あらゆるラグビーの試合を放送して、ラグビー観戦には事欠かない。

J-SPORTSラグビー中継に特化したのだから、放送レベルも高くなる。

それまでの、ラグビー素人のような地上波中継を嫌悪していたラグビー・ファンは、ますますJ-SPORTS中継に昏倒していったのだった。

しかしそれは、ラグビー・ファンをオタク化するものでもあったのである。

 

ラグビー・ファン以外のJ-SPORTSの加入者は、なぜJ-SPORTSがこれほどまでにラグビー放送を優遇するのか、不思議だっただろう。

それには、契約の問題があったのだ。

ラグビーはテレビ中継に関してはJ-SPORTSを優先し、J-SPORTSもまたラグビー中継を優先する。

こうして、ラグビーは固定客を獲得することに成功したものの、一般の人々にラグビーの魅力を発信する手段を放棄してしまったのだ。

他の国ならいざ知らず、日本では無料で視聴できる地上波中継が、一般のファンを取り込むには一番手っ取り早い。

 

ラグビーを見たくても地上波では放送してくれない→

やむなくラグビー・ファンはJ-SPORTSに加入する→

ますます地上波では視聴率を取れないので、ラグビー放送をしなくなる→

一般の人々はラグビーを見る機会を失ってしまう

という負のスパイラルに陥ってしまったのである。

 

年間パスポートやFOR ALLチケット、ファンクラブや企業へのチケットばら撒きといい、J-SPORTSでのテレビ放送といい、JRFUはラグビーの普及よりも安定した収入を選択したのだろう。

だがそれは、新しいファンの開拓には足枷になってしまった。

 

もちろんJRFUも、ラグビーがここまでブームになるとは、予測してなかったのだろう。

それでもやはり、日本代表がW杯から去って1ヵ月も経っていたのだから、対策は充分に可能だったはずである。

それができなかったのは、JRFUがアマチュアの集団だったということであろう。

もしプロの集団だったなら、南アフリカ戦後に起こったラグビー・ブームを見越して、企業優待を削り一般発売を増やせば、満員に近い集客を見込めたと思われる。

こんな努力も怠ったのが、最大の失策だったのであるが。。

 

ついでに言えば、なぜ開幕戦をわざわざ 金曜日のナイトゲームにしたのか。

例年通りの8、9月での暑い季節ならいざ知らず、寒い11月にナイトゲームを行う理由は何もない。

もちろん、全国地上波でのゴールデン・タイム中継が見込めるのならそれでもいいのだが、実際にテレビ中継したのはJ-SPORTSと、地上波では地方独立局で神奈川ローカルのTVKだけだ。

それならば、休日の昼間に全国地上波生中継をやってもらう方が遥かにいい。

 

もう一つ言えば、秩父宮ラグビー場の照明は暗すぎる。

日本人はプロ野球での明るいナイター照明を見慣れており、今年のラグビー・ワールドカップでも日本人は明るい照明の下でのラグビーを堪能した。

しかし秩父宮ラグビー場の照明は、ハッキリ言って草野球レベルである。

こんなに暗い照明では、マイナースポーツ感を拭えない。

そもそも日本国内のラグビー専用スタジアムでは、ナイター照明があるのは秩父宮ラグビー場パロマ瑞穂ラグビー場(愛知)だけであり(しかも両スタジアムとも照明は暗い)、熊谷ラグビー場(埼玉)と花園ラグビー場(大阪)には照明施設すらないの問題だ。

 

試合内容も、前年度優勝のパナソニックと、強豪のサントリーという黄金カードにもかかわらず、試合内容はお寒いばかりだった。

38-5というパナソニックの圧勝であり、サントリーの不甲斐なさが目立った一戦である。

サントリーと言えば、今W杯で日本代表を率いていたエディ・ジョーンズが監督を務めていた数年前までは無敵を誇っていたが、現在ではその栄光は今いずこ。

メンバー的には、フーリー・デュプレア(スプリングボクス)と日和佐篤というW杯で活躍した両スクラム・ハーフ(SH)を怪我で欠いていたとはいえ、代わってSHには流大(ながれ・ゆたか)という期待の新人を起用しており、さらに先発メンバーにはW杯の代表だった選手が6人(他国代表を含む)もいたのである。

しかしサントリーは何もできず、同じくW杯メンバーを6人揃えた(他国代表を含む)パナソニックに惨敗してしまった。

もちろんそこには、パナソニックの素晴らしいプレイと戦術(特にディフェンス)があったのだが、それがラグビーを初めて観るファンにどれだけ浸透しただろうか?

 

ワールドカップ特需とも言える今年、日本ラグビー界にとって最大のチャンスであり、ある意味ではピンチでもある。

2019年のラグビー・ワールドカップ日本大会に向けて、今年が正念場だという自覚をJRFUには持って欲しい。

そのためには、何よりもトップリーグの充実と、ラグビーに縁のなかった客を取り込むことが、最大の急務である。

ラグビー・ブームと言われる今、それを利用しない手はない。