第97回全国高等学校野球選手権大会は東海大相模(神奈川)が優勝した。
つまり今年の夏、高校野球で最も強いチームは東海大相模、ということになる。
では、一番弱い高校はどこだったのだろう?
それを調べるには、地方大会の初戦で敗れたチーム同士で、負け進んで行く逆トーナメントをするしかないが、もちろんそんな大会を開催する主催者がいるわけがない。
そこで、地方大会初戦で敗れた高校に勝った高校が次の試合で敗れて、その高校に勝った高校がまた次の試合で敗れて……、という形で「一番弱い高校」を選定するしかない。
もっとも、だからと言ってそんな方法で一番弱い高校を指定できるわけではないが、そこはご容赦いただきたい。
なお、昨年夏の最も弱かった高校はこちら。
(去年の記事を読めばわかるが、今回の記事は校名以外はほとんど去年のコピペだ)
地方大会から調べていくと大変だが、甲子園の決勝戦から逆算していけば、容易に探り当てることができる。
甲子園大会
準々決勝 ○早稲田実業(西東京)8-1九州国際大付(福岡)●
二回戦 ○作新学院(栃木)10-6上田西(長野)●
一回戦 ○上田西(長野)3-0宮崎日大(宮崎)●
つまり、今夏の甲子園で最も弱かった高校は宮崎日大ということになる。
だが、前述したように、本当に最も弱いというわけではないので、関係者の皆様はお気を悪くなさらないように。
さて、宮崎日大は宮崎代表の高校なので、日本一弱い高校は宮崎県にある。
宮崎といえば、プロ野球のキャンプ地として有名だ。
ちなみに宮崎県といえば、2年前の夏の甲子園で延岡学園が準優勝し、この時が春夏通じて宮崎県勢として初めての決勝進出だった。
では、今夏の宮崎大会を見てみよう。
宮崎大会
三回戦 ○延岡学園3-2鵬翔●
二回戦 ○鵬翔6-2宮崎大宮●
一回戦 ○宮崎大宮3-1都城工●
というわけで、今夏の日本一弱い高校は都城工と決定した。
くどいようだが、本当に日本一弱いというわけではないので、そこはお許しいただきたい。
まあ、この学校に勝った高校は、次の試合では必ず負けるのだから、弱いというよりは呪いをかけられた、と言った方が適切な気がするが。
では、都城工とはどんな高校なのか?
調べてみると、その名の通り都城市にある宮崎県立の工業高校で、戦時中の1944年(昭和19年)に開校した。
都城市といえば、宮崎県南部の内陸部に位置し、人口は宮崎市に次ぐ主要都市であり、前・宮崎県知事である東国原英夫(そのまんま東)の出身地としても有名だ。
高校野球も盛んで、市内にある都城や都城商は何度も甲子園出場経験がある。
だが、都城工には春夏通じて甲子園出場はない。
しかし、プロ野球選手は輩出している。
最も有名なのは、阪急(オリックス)~中日~阪神で活躍した南牟礼豊蔵だろう。
プレースタイルは地味ながら、「みなみむれ・とよぞう」という姓も名もインパクトが強過ぎる名前で人気を博した。
南牟礼は都城市出身だが、この姓の発祥はお隣りの鹿児島県曽於市辺りのようで、全国でも50人ぐらいしかいない珍名さんだそうだ。
高校野球最弱校は?なんて失礼な調査をすると、思わぬ発見があるから面白い。
ちなみに、去年の高校野球最弱校に選ばれた(?)徳島県立脇町高校は、今夏の徳島大会でベスト8に進出するという健闘を見せた。
つまり、本当にくどいようだが、こんな方法で最弱校を決定するなんて不可能なのである。