ネターランド王国憲法

第1条 本国の国名を「ネターランド王国(英名:Kingdom of the Neterlands)」と言う。
第2条 本国の国王は「禁句゛(=きんぐ)、戒名:安威川敏樹」とする。
第3条 本国は国王が行政・立法・司法の三権を司る、絶対王制国家である。
第4条 本国の公用語は日本語とする。それ以外の言語は国王が理解できないため使用禁止。
第5条 本国唯一の立法機関は「日記」なる国会で、国王が一方的に発言する。
第6条 本国の国民は国会での「コメント」で発言することができる。
第7条 「コメント」で、国王に不利益な発言をすると言論弾圧を行うこともある。
第8条 「コメント」で誹謗・中傷などがあった場合は、国王の独断で強制国外退去に踏み切る場合がある。
第9条 本国の国歌は「ネタおろし」とする(歌詞はid:aigawa2007の「ユーザー名」に記載)。
第10条 本国と国交のある国は「貿易国」に登録される。
第11条 その他、上記以外のややこしいことが起きれば、国王が独断で決めることができる。

東京の山、大阪の山

数年前までは、2月になるとよく宮崎を訪れていた。

プロ野球のキャンプ視察のためだが、密かに楽しみにしていたのが帰りの飛行機。

夕方近くに宮崎空港を発ち、およそ1時間で大阪の伊丹空港に着く。

飛行機が紀伊半島に入るとそこから北上し、眼下には大阪の風景が広がっていく。

堺に入った辺りでなぜか飛行機は東に針路を変え、大阪市内の外周を反時計回りに進むのだ。

ちょうどその頃、大阪の街は夕陽に染まり、オレンジ色の風景からだんだん暗くなっていく。

航空会社もサービスを怠らず、

「みなさま、どうぞ大阪の夜景をお楽しみください」

というアナウンスがあって、機内の電灯が消される。

そのアナウンスを合図にしたかのように、日が落ちて大阪の街に灯が灯り、鮮やかにライトアップされるのだ。

飛行機が大阪市の周りを一周するとどんどん高度を下げ、大阪の風景に飛び込んで行くように、伊丹空港の滑走路に滑り込む。

夕景から夜景に変わる大阪の街は、何とも言えない情緒があるのだ。

この光景は、関西空港では味わえない。

 

僕は東京~大阪間で飛行機を利用したことがないのでわからないのだが、ある人に言わせると、

「飛行機から見る夜景は、東京よりも大阪の方が遥かに綺麗」

なのだそうだ。

なぜなら、

「東京はだだっ広い平野があるだけだが、大阪は海を除く三方が山に囲まれているため、風景に奥行きが広がる」

ためだという。

 

なるほど、言われてみると大阪は大都会でありながら、山からの距離が結構近い。

大阪市内から東を眺めると、すぐに生駒山地が目に飛び込んでくるし、南東方面には金剛山地がそびえ立つ。

さらに南には和泉山脈がなだらかな稜線を描き、北の方には箕面の山々が軒を連ねる。

西には大阪湾が広がっているが、北西には六甲山系があるのだ。

大阪は、山とは地理的に切っても切れない関係にあると言える。

 

一方の東京はどうか。

たしかに、東京へ行った時に山を見たという記憶がない。

晴れている日は山の稜線が見えるのだが、富士山ならともかく、それ以外の山々は特に意識しないと気付くことは少ないだろう。

 

大阪市内にある日本一高いビル・あべのハルカス16階から東方の生駒山(標高642m)を望む。大阪中心部からこれだけ近い距離に山がそびえているのだ

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ハイジはアルプスから、クララがいる当時ドイツ最大の大都会だったフランクフルトに移り住んだが、山が見えないためノイローゼに陥ってしまった。

ハイジは高台に行って山を見ようとするが全く見えず、

「ドイツ最大の大都会から山なんて見えるわけがない」

と、あるおじさんに言われ、ハイジは愕然としたのである。

もしクララが大阪に住んでいたら、ハイジはホームシックにはならなかったかも知れない。

なにしろ大阪からは、こんな近くに山が見えたのだから。

 

では、東京には山がないのだろうか。

もちろん、そんなことはない。

八王子市には多くのハイカーたちが訪れる高尾山(標高599m)がある。

東京都心から近く、ケーブルカーもあるので、手頃なハイキング・コースとして世界一の登山客数を誇っている。

しかし、標高約600mというのは、山としてはちょっと物足りない。

東京にはもっと高い山はないのだろうか。

 

それを調べる前に、大阪と東京の地理的条件を比べてみよう。

大阪中心部、即ち大阪市大阪府のほぼ中央に存在する。

中央部にある大阪市内から、南北へ均等にだんだんと田舎になっていく、それが大阪府の構図だ。

 

東京は、離島(伊豆諸島および小笠原諸島)を除いて、東京湾がある最東部に中心部、つまり東京23区部があり、そこから西に向かってだんだんと田舎になっていく。

ということは、大阪府は中心部が地理的にも文字通り中心にあるのに対して、東京都では最も東の部分が中心部という歪な形になっているのだ。

 

ところで、47都道府県のうち13県には「村」が存在しないが、二大都市圏の東京都と大阪府には「村」はちゃんとある。

大阪府にある「村」はたった1つ、南東部に位置する千早赤阪村だけだ。

東京都には8つも「村」があるが、これは離島を含めた数で、本州部にあるのは檜原村の1つだけである。

少々失礼な言い方になるが、大阪府千早赤阪村と東京都の檜原村、どちらが田舎なのだろうか。

 

大阪府千早赤阪村には鉄道路線は走ってないが、バス路線は整備されている。

富田林駅近鉄長野線)から金剛バス、河内長野駅(南海高野線および近鉄長野線)からは南海バスが走っており、2つの駅と2つの路線をバスで繋いでいるので、田舎という割には思ったより便利だ。

また、大阪市内から距離的にも案外近く、鉄道利用で最寄駅(富田林駅および河内長野駅)までは約30分で着く。

大阪市内から千早赤阪村までは1時間ぐらいだ。

大阪市大阪府の真ん中にある、という地理的条件が有利に働いているのだろう。

楠木正成の本拠地としても知られ、鎌倉幕府軍と死闘を繰り広げた千早城跡、下赤坂城跡、上赤坂城跡などの史跡も豊富だ。

 

一方、東京都の檜原村にも鉄道は通っておらず、公共交通機関はバスのみ。

だが、こちらは武蔵五日市駅(JR五日市線)から西東京バスが走っているだけである。

東京都心からも約60kmと遠く、鉄道利用で最寄駅(武蔵五日市駅)までは1時間以上もかかるのが現状だ。

檜原村までは2時間以上かかるだろう。

なにしろ、東京中心部は東京都の最東端、檜原村は最西端に近いのだから(東京都の最西端は奥多摩町)。

 

大阪府唯一の村である千早赤阪村は、大阪市から意外に近く、富田林市や河内長野市からのバス路線も発達している

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東京都の本州部では唯一の村である檜原村は、東京都心からかなり離れており、武蔵五日市駅あきる野市)からバスが通じるだけの、交通不便な地だ

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両村の人口はどうか。

千早赤阪村の人口は5,494人で、檜原村2,233人の約2倍(いずれも2015年2月1日の統計)。

だがそれ以上に、人口密度となると千早赤阪村147人/km²なのに対し、檜原村21人/km²と、千早赤阪村は実に7倍にもなるのだ。

千早赤阪村よりも、檜原村の方が遥かに秘境と言えるだろう。

 

では本題に戻り、山の高さはどうなのだろうか。

千早赤阪村には大阪府下最高峰である金剛山がある。

標高は1,125mだが、山頂は奈良県御所市にあり、大阪府下での最高地点は1,053mで千メートル超えだ。

大阪市内から近く、また日本唯一の村営ロープウェイが通じているので手軽なハイキング・コースとして人気が高く、登山客数は東京の高尾山に迫るものがある。

 

一方、檜原村にある最高峰は三頭山で、標高は1,531m

この時点で金剛山を圧倒しているが、大阪府内最高地点と比べても約1.45倍。

つまり、高い山がないと思われた東京には、大阪にもない高い山が存在したのである。

しかも、金剛山や高尾山のようにロープウェイやケーブルカーなどないが、そこが却って登山家たちにとって魅力なのかもしれない。

 

だが、驚くのはまだ早い。

東京都には三頭山よりも遥かに高い山が存在するのだ。

それが東京都最西端の奥多摩町にある雲取山である。

標高は2,017mで、金剛山の倍近く。

日本の首都たる東京に、二千メートル級の山が存在したのだ。

人口だけでなく山の高さでも、東京は大阪に圧勝である。

もちろん、雲取山にはロープウェイやケーブルカーなどなく、山に登る者は本格的な登山を覚悟しなければならない。

 

東京都心からは見えなくても、東京都にはこれほど高い山がある。

世界一のメガシティでありながら、山岳隊が目指すような山が存在するというのは、東京の多様性を証明するようで面白い。

その一方で、過密化と過疎化という両極端な問題を抱える、世にも奇妙な大都市と言えるかも知れない。