今年もやってきた。
オリックス・バファローズの二軍戦が、富田林の地に。
去年、初めてプロ野球のファーム公式戦が富田林総合スポーツ公園野球場で行われたが、この時は満員札止めだったため、僕は入場できなかった。
そこで今年は、チケット発売時間に合わせて球場に行ったのである。
果たして、無事にチケットをゲットできた\(^o^)/
去年の大盛況に気を良くしたのか、オリックス球団と富田林市の間で「スタジアムニックネーム協定」が結ばれ、同球場は「富田林バファローズスタジアム」と命名された。この試みは全国初という。
富田林総合スポーツ公園野球場のスコアボード裏には「富田林バファローズスタジアム」の文字が
球場外にはテントが張られ、数々の売店があった。試合が始まれば台車に商品を乗せ、売り子のように球場販売も行われた
富田林総合スポーツ公園は、富田林の中心である富田林駅(近鉄線)からバスで約30分もかかるというド田舎。
それでも、満員の観客が押し寄せた。
二軍の試合でも、これだけ商売になるのだ。
NPBもファーム戦について、もっと考えるべきだろう。
この日の入場料は大人1,200円(前売り券は1,000円)と、普段のファーム(オリックスでは大人500円)に比べると高いが、それでもその価値は充分にある。
そもそも、ファーム戦でも公式戦ならプロ興行であり、一部の球団のように無料というのはおかしいのだ。
プロ興行である限り、客からお金をもらって、選手はプレーを魅せる形にしなければならない。
ファームにはファームの楽しみ方がある。
何しろ、格安の値段でネット裏の特等席で野球を見られるのだ。
しかも、高校野球、大学野球、社会人野球で大活躍した、未来のスター候補を間近で見られる。
また、怪我や不調で調整中のスタープレーヤーまで見ることができるのだ。
ちなみにこの試合では、1億円プレーヤーの後藤光尊が先発出場していた。
僅か1,200円の入場料で、後藤を間近で見ることが出来るのである。
……って、お前はこんな所にいちゃダメだろ、後藤!
さらには、史上初の「代打逆転サヨナラ満塁釣り銭なし優勝決定ホームラン」を放った、現在は二軍打撃コーチの北川博敏が、試合前に水を撒いていた。こんな光景が見られるのも、ファームならではである。
試合前に水を撒く北川コーチ。少年ファンから熱い声援が贈られていた
ネット裏ではテントを張って実況中継が行われていた。どうやら近くにある大阪芸術大学が絡んでいるらしい
また、富田林といえば近鉄と南海沿線なので、近鉄バファローズや南海ホークスのユニフォームを着た人も大勢いた。
何しろこの日は、(オリックス)バファローズと(福岡ソフトバンク)ホークスの戦いである。
三塁側に陣取った、南海ホークスのユニフォームを着た一団
まあしかし、長いゲームだった。
一軍の試合でも試合時間の長さが問題視されているが、本当に試合時間短縮を目指すなら、二軍からキッチリ教育すべきだろう。
このあたりの意識がNPBには全く欠けている。
「とにかく勝てば、それがファンサービスに繋がる」という、前近代的な考え方が横行しているのだ。
確かに勝てば、そのチームのファンは喜ぶだろうが、ダラダラしたつまらない試合を続けていれば新たなファンを取り込むことは不可能だろうし、野球ファンだってソッポを向く。
そのあたりの意識がどれだけあるのか、ハリモト、ノムラ、オチアイといった大御所たちに訊いてみたい。
3時間をとっくに越え、9回表で午後4時20分を回ったところで激しい雨が降ってきた。
結局、激しい雨が降ったのは9回表の一瞬だけで、9回裏はホークスが逃げ切って勝った。3時間で終わっていれば、こんな大雨には見舞われなかったのだが。
ちょっと愚痴ってしまったが、オリックス球団の試みとしては非常にいいと思う。
オリックスは富田林以外でも、兵庫県の淡路島や丹波市、大阪府の豊中市に高槻市や東大阪市。奈良県橿原市など、関西近郊のファームゲームを主催している。
なかなかプロ野球を見られない地で、ファームゲームを行うのは有意義だろう。
ちなみにオリックスは高知でもファームの主催ゲームを行った。
ファームだって商売になる!それを示してもらいたいものだ。