球界に激震が走った。
プロ野球随一の人気球団である阪神タイガースが身売りされることが明らかになった。
プロ野球の球団が、開幕直後に身売りされるのは極めて異例のことである。
プロ球団でも数少ない黒字経営をしている阪神球団がなぜ?と関係者の間でも騒然としているが、どうやら理由は球団幹部による放漫経営が原因らしい。
一部の球団幹部は阪神人気をいいことに、北新地で100万円もの金を一晩で使って呑み歩いていた、と言われる。
この球団幹部たちが呑み代に使っていた金は、選手たちがグラウンドで死に物狂いになって稼いだ、まさしく血と汗の滲む金。
この事実を知った阪神の選手たちは、「ダラ幹(ダラけた幹部)どもを追放し、我々選手の手で健全な球団経営を行おう」と決起した。
このクーデターによって、親会社の阪神電鉄は身を引くことになり、タイガースは新たな経営陣によって再出発する。
球団社長は投手キャプテンの藤川球児、球団代表は野手キャプテンの鳥谷敬、ゼネラル・マネージャー(GM)は選手会長の関本賢太郎が務めることとなった。
と言っても、選手だけで球団経営が出来るものではない。
そこで、新たなオーナー企業として、阪神高速道路株式会社がタイガースを買収した。
このため、「阪神」の名前は残り、新球団名は「阪神高速タイガース」となる。
この「球団乗っ取り」とも思える身売り劇に阪神電鉄は不満を露わにし、甲子園駅の廃止を決定した。
つまり、甲子園へは阪神電車で行けなくなるのである。
この阪神電鉄の仕打ちに対し、阪神高速道路株式会社は、
「室内練習場およびクラブハウスを取り壊し、駐車場とする」
と発表。
そしてテレビCMでは、
「オマリーでおま。甲子園には駐車場がおます。甲子園へは阪神高速がイチバンヤー!」
と、マイカーでの来場をPRする予定である。
【4月1日=USO通信】