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安威川敏樹のネターランド王国

お前はチョーマイヨミか!?

ネターランド王国憲法

第1条 本国の国名を「ネターランド王国(英名:Kingdom of the Neterlands)」と言う。
第2条 本国の国王は「禁句゛(=きんぐ)、戒名:安威川敏樹」とする。
第3条 本国は国王が行政・立法・司法の三権を司る、絶対王制国家である。
第4条 本国の公用語は日本語とする。それ以外の言語は国王が理解できないため使用禁止。
第5条 本国唯一の立法機関は「日記」なる国会で、国王が一方的に発言する。
第6条 本国の国民は国会での「コメント」で発言することができる。
第7条 「コメント」で、国王に不利益な発言をすると言論弾圧を行うこともある。
第8条 「コメント」で誹謗・中傷などがあった場合は、国王の独断で強制国外退去に踏み切る場合がある。
第9条 本国の国歌は「ネタおろし」とする(歌詞はid:aigawa2007の「ユーザー名」に記載)。
第10条 本国と国交のある国は「貿易国」に登録される。
第11条 その他、上記以外のややこしいことが起きれば、国王が独断で決めることができる。

アイルランド・コール

現在、ニュージーランドで行われている第7回ラグビーワールドカップ2011。
予選リーグのプールCで大波乱が起きた。


過去2回の優勝を誇り、今大会でも優勝候補の一角に名を連ねるオーストラリア(ワラビーズ)が、アイルランドに6−15で敗れたのである。
W杯予選リーグでは7点差以内なら負けてもボーナス点1が与えられるが、9点差のためワラビーズはボーナス点すら奪えなかった。
つまり9点差では「接戦」とは認められないということであり、さらに双方ノートライだったのにも関わらず、こんなに面白い試合もなかった。
もちろん、ワラビーズが敗れるかも知れないという緊迫感がそう思わせたのかも知れないが、内容がある試合ならノートライでも充分に面白いのである。
「トライはラグビーの華」とも言われるが、この試合はその「華」がなくてもラグビーは面白い、と実感させられるゲームだった。


それにしても、ワラビーズを打ち破ったアイルランドの戦いぶりは見事だった。
何よりも気迫で強敵にぶつかる「アイリッシュ魂」を世界のラグビーファンに見せ付けた。
このアイルランドは、決してラグビー弱国ではない。
現在の世界ランキングでは6位で、旧IRB加盟8ヵ国の一員でもあった。
そしてワラビーズに対しては、1991年の第2回大会では18−19、2003年の第5回大会では16−17でいずれも1点差負けと、天敵ぶりを発揮している。
しかし、勝利にはあと一歩及ばなかった。
それが今大会で、ワラビーズからW杯で初勝利をもぎ取ったのである。
アイルランドは弱国ではないと言っても、旧IRB加盟8ヵ国の中で唯一、W杯でベスト4に進出したことがない。
だが、ワラビーズを破ったためにプールCを1位で通過することが濃厚になったので、今大会は初の4強入りのビッグチャンスである。


そもそもアイルランド代表ほどややこしいチームもない。
いや、ラグビーではアイルランドのみならずイギリスもややこしいのだが、アイルランドはそれに輪を掛けたような複雑さだ。
イギリスの大部分をなすグレート・ブリテン島の中で、ラグビーの代表チームはイングランド、スコットランド、ウェールズの3ヵ国に分かれる。
なぜ3つに分かれているかはここでは詳しく書かないが、イギリスの中枢部を占めるイングランドはアングロ・サクソン人の国であり、ケルト人のスコットランドとウェールズがイングランドに対して敵愾心を持っているから、というのはステレオタイプ過ぎるだろうか。
日本人はイギリスのことを英語ではつい「England」と言ってしまうが、スコットランド人やウェールズ人にとっては面白くないだろう。
そんな事情もあり、イギリス本土では3つの国に分かれている。


ここまではサッカーの代表チームと同じだが、アイルランドの場合は違う。
サッカーではアイルランド代表というと即ちアイルランド共和国代表のことになるが、もう一つ「北アイルランド代表」というものがある。
北アイルランドと言えばアイルランド島北部のベルファストを首都とした、イギリスの一部である。
イギリスの正式国名である「グレート・ブリテン及び北アイルランド連合王国(United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland)」とは、グレート・ブリテン島北アイルランドからなる国ですよ、という意味だ。
したがってサッカーではイギリス国内にイングランド、スコットランド、ウェールズ北アイルランドという4つの代表チームがあり、筋が通った構成と言える。


ところがラグビーではこの原則が通用しない。
ラグビーにおけるアイルランド代表とはアイルランド共和国代表ではなく、アイルランド共和国北アイルランドの両方からなる代表チームなのだ。
つまりアイルランド島の代表チームと言っていい。
ラグビーではイングランド、スコットランド、ウェールズ、アイルランドの4つを「ホーム・ユニオン」と呼ぶが、この中に独立国とイコールの国は一つもないのである。


そもそも隣り同士の島であるグレート・ブリテンとアイルランドとの間には民族の違い、宗教の違いもあって紛争が絶えなかった。
アイルランド島の北部だけイギリス領というのも、両国の複雑な事情を象徴していると言える。
政治的、宗教的に対立するアイルランド共和国北アイルランドだが、ラグビーとなると一つになる。
なぜサッカーのように分かれなかったのかは不明だが、アイルランドが南北に分裂する以前には既にアイルランドラグビー協会が設立されており、国が分裂しても協会はそのまま残された。


ラグビーでは一つになる、と言っても、そう一筋縄ではいかない事情もあった。
試合前の国歌斉唱がその象徴だ。
かつて、アイルランド共和国の首都であるダブリンでテストマッチを行うときは、アイルランド共和国の国歌である「ソルジャーズ・ソング(The Soldier's Song=アイルランド語ではAmhrán na bhFiann)」のみが流され、アウェーの国の国歌は流されなかった。
イギリス国歌である「ゴッド・セイブ・ザ・クイーン(God Save the Queen)」がアイルランド共和国内で流されるのはタブーだったからである。
逆に北アイルランドの首都であるベルファストでのテストマッチでは、「ゴッド・セイブ・ザ・クイーン」がアイルランド代表の国歌として斉唱されていた。
日本人にはなかなか理解しにくい複雑さである。


ところが1995年、そんな事情を憂慮してか、第3回W杯を前にラグビーアイルランド代表用の国歌が遂に完成した。
それが「アイルランド・コール(Ireland's Call)」である。
新国歌の完成当初はトラブルもあったようだが、現在ではアイルランド代表の選手たちやファンはこの「アイルランド・コール」を誇り高く歌うようになった。
ワールドカップはラグビーのグローバル化、プロ化を推進しただけでなく、国歌まで生み出したのである。




ラグビーアイルランド代表国歌、アイルランド・コール