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安威川敏樹のネターランド王国

お前はチョーマイヨミか!?

ネターランド王国憲法

第1条 本国の国名を「ネターランド王国(英名:Kingdom of the Neterlands)」と言う。
第2条 本国の国王は「禁句゛(=きんぐ)、戒名:安威川敏樹」とする。
第3条 本国は国王が行政・立法・司法の三権を司る、絶対王制国家である。
第4条 本国の公用語は日本語とする。それ以外の言語は国王が理解できないため使用禁止。
第5条 本国唯一の立法機関は「日記」なる国会で、国王が一方的に発言する。
第6条 本国の国民は国会での「コメント」で発言することができる。
第7条 「コメント」で、国王に不利益な発言をすると言論弾圧を行うこともある。
第8条 「コメント」で誹謗・中傷などがあった場合は、国王の独断で強制国外退去に踏み切る場合がある。
第9条 本国の国歌は「ネタおろし」とする(歌詞はid:aigawa2007の「ユーザー名」に記載)。
第10条 本国と国交のある国は「貿易国」に登録される。
第11条 本国の文章や写真を国王に無断で転載してはならない。
第12条 その他、上記以外のややこしいことが起きれば、国王が独断で決めることができる。

宿沢ジャパン平尾組〜W杯唯一の勝利〜あとがき

宿沢ジャパン平尾組〜W杯唯一の勝利〜その1(改)」冒頭の部分での青字で書いた通り、今回の連載は4年前の2007年、第六回ラグビーワールドカップ直前に連載していたものを加筆訂正したものである。
そして前回同様、W杯開幕直前に連載を始め、最終回が開幕日となり、さらにこのあとがきも前回同様、ジャパンの初戦が行われた日に書いている。


残念だったのは、タイトルの副題までが前回同様「W杯唯一の勝利」となっている点だ。
つまり、前回大会でジャパンはW杯2勝目を挙げられなかったのである。
2007年W杯のジャパンにとっての最終戦、カナダ相手にノーサイド寸前でトライ&コンバージョンゴールを決めて、引き分けに持ち込んだ。
僕もこの時、夜中のテレビ中継を見ていて狂喜乱舞していたのを憶えている。
1991年のジンバブエ戦は勝ったとはいえ格下の相手だったので、W杯ベスト8の経験があるカナダ相手に引き分けたこの試合が、ジャパンにとってベストパフォーマンスだったかも知れない。
だがやはり、引き分けたとはいえ、あの試合でジャパンは勝てなかったのだ。


あれから4年。
前回に引き続きジョン・カーワンがヘッドコーチとしてジャパンの指揮を執っている。
まさしく今大会が、カーワン・ジャパンの集大成となるW杯だ。
カーワンの選手選考に関しては、色々物議を醸した。
外国出身の選手が多いため、ファンとしては感情移入できない、とか、あるいはジャパンのお家芸である「展開・接近・連続」の素早いオープン攻撃が出来なくなるのではないか、など。
でも、カーワンにとってはルールに則って最強の選手を集めただけで、外国出身者が多い少ないは関係ない。
ただ戦術論として、外国出身者を多く起用したことは、賛否の意見が分かれることだろう。


カーワンが賛否両論の中で、自らの正しさを証明するのは、結果しかない。
これこそが宿沢が標榜していた「勝つことのみが善である」ということだろう。
「勝つことのみが善である」とは、勝利至上主義や、勝つためにはどんな汚い手を使っても構わない、という意味では決してない。
要するに、誰もが納得できる結果を出す、ということなのだ。


今日、ジャパンはW杯初戦で世界ランキング4位のフランスと戦い、21−47で敗れた。
点差を見るとダブルスコア以上の完敗だが、後半の途中には4点差まで詰め寄るという、あわやと思わせる展開となった。
結果は負けだったとはいえ、世界の強豪国を相手にジャパンのラグビーを見せ付けられたのではないか。
素早いオープン攻撃は随所に見られたし、そのためミスも多く相手にトライを奪われていまったが、それは今後の課題だろう。
いかにもジャパンらしい素早い連続攻撃をして、それでいてミスもせずトライに結び付けていく、そんなジャパンを見たい。


今大会で、ジャパンは今後ニュージーランドオールブラックス)、トンガ、カナダと対戦する。
まずは、ジャパンがオールブラックスに勝てる確率は0%である。
これは、スポーツ勝負原則論に則り「勝負はゲタを履くまでわからない」と言おうが、アントニオ猪木が「やる前に負けることを考えるバカがいるかよ!」と叫ぼうが、もう絶対に勝てない。
とはいえ、ジャパンはオールブラックスに対しても世界にアピールする術はある。
ジャパンは1995年のW杯でオールブラックスに17−145という屈辱的大敗を喫しているが、そこからジャパンがどれだけ進歩したか、見せ付ければいいのだ。
たとえ負けるにしても、開催国であるニュージーランド国民にジャパンの印象を脳裏に刻ませるような、立派な試合をして欲しい。


問題はその後のトンガ戦とカナダ戦で、ここでカーワン・ジャパンの真骨頂が問われる。
カーワンは今大会で「最低2勝」を掲げているが、フランスに敗れた今はオールブラックスに負けるとして、トンガとカナダに連勝するしかないのだ。
トンガには今年のパシフィック・ネーションズ・カップでは1点差で破り、カナダに対しては前述した通り前回のW杯で引き分けた相手であり、W杯2勝は決して夢物語ではない。
とはいえ、トンガは今W杯初戦でオールブラックス相手にスクラムで互角以上に戦って善戦し、カナダも北米最強なので、いずれも侮れない相手である。
この2国に連勝するのは並大抵のことではないだろうが、カーワン・ジャパンの集大成を見せ付けてもらいたい。


今回の再連載に当たって、4年前に自分が書いた文章を読んだが、俺はこんなことを書いていたのか、と、ちょっと恥ずかしくなってしまった。
あの時はこんなことを考えていたのか、とか、随分荒い文章だなあ、とか。
この時、読んで下さった皆様にはちゃんと真意が伝わっていたのだろうか、と不安になったりもした。
だから僕は、自分が書いた文章を読み返すのは苦手である。
とはいえ、それはそれで楽しい作業でもあった。


ただ、粗い文章や、理解しにくいのではないか?と思える部分は訂正した。
また、この4年間で新たに得た情報に関しては加筆もした。
でも、当時の状況を尊重したかったため、必要以上の加筆訂正はしなかった。


僕はこの4年間、カーワン・ジャパンと共に、どれだけ成長したのだろうか?
今回の連載は、そんな確認作業だった。


2011年9月11日未明



(参考文献)

ラグビー伝説」ナンバー編 文春文庫
「TEST MATCH」宿沢広朗 講談社
ラグビー・スピリッツ物語」山口勝典 三一書房
「闘う男たち」毎日新聞社神戸支局 世界文化社
平尾誠二 八年間の闘い」玉木正之 ネスコ
「楕円球の詩」林敏之 ベースボール・マガジン社
「勝つことのみが善である」永田洋光 ぴあ株式会社
宿澤広朗 運を支配した男」加藤仁 講談社

(本文中敬称略)