あじさいスタジアム北神戸(行った回数:1回)
あじさいスタジアム北神戸はオリックス・バファローズの二軍本拠地である。
それまでは一軍の本拠地だったグリーンスタジアム神戸(当時の名称)の隣りにある神戸サブ球場を本拠地としていたが、2000年の完成と同時に同チームの本拠地となった。
その名の通り神戸市北部にある球場だ。
「神戸」と聞くとどんなイメージを思い浮かべるだろうか。
普通の人は「異国情緒あふれる、オシャレな港町」と答えるだろう。
しかし一口で「神戸」と言っても市域はかなり広く、様々な貌がある。
あじさいスタジアム北神戸の正式名称は「北神戸田園スポーツ公園野球場」と言い、あじさいが神戸市の花に指定されているため、一般公募でこういう愛称になった。
正式名称から鑑みると田園の中にある球場ということになるが、まさしくその通りで港町とは縁もゆかりもない、失礼を承知で言わせてもらうなら、政令指定都市とはとても思えない片田舎にある。
海に面した神戸市中心部のすぐ北側には六甲山がそびえているが、その六甲山の裏側にあじさいスタジアムがあり、神戸市中心街よりも三田市街の方が遥かに近い。
神戸市最大の繁華街である三宮、あるいは新幹線が通る新神戸からはどう行けばいいだろうか。
まずは三宮駅から地下鉄西神・山手線(新神戸駅からは北神急行電鉄)の谷上方面行きに乗り、谷上駅で神戸電鉄有馬線の三田方面行きに乗り換えて岡場駅で下車、乗車時間は約30分である。
ここからバスに乗り、約10分で「菖蒲が丘2丁目」のバス停を降りると、そこから徒歩で最短約10分もかかる。
しかも道はわかりにくく延々と登り坂が続くし、そもそもバスの本数も少ないのだから、これはもう「公共交通機関では来るな」と言っているようなものである。
それでも公共交通機関を利用しなければならない場合は、駅からタクシーを利用した方が無難だろう。
大阪から行く場合は、JR、阪急、阪神のいずれかで三宮駅に出て、以降は上記ルートで行くか、あるいはJR宝塚線(福知山線)で一旦三田駅に行ってから神戸電鉄で南下するしかないので、時間がかかることおびただしい。
となると車の利用がベストとなるが、こんなヘンピな所にあるのだから当然、有料とはいえ駐車場を備えてある。
道路網は発達していて、すぐ近くには山陽自動車道、中国自動車道、六甲北有料道路などのインターチェンジやジャンクションがあり、一般道も国道176号線が走っていて、大阪からでも遠いとはいえ行くことは可能だ。
また、ちょいと足を延ばせば有馬温泉があるから、試合後にひとっ風呂浴びてから帰る、なんてこともできる。
とはいえ、神戸や大阪から行くとなると六甲山を越えるわけだから、ちょっとそこまでなんて気軽に行ける場所ではない。
あじさいスタジアムは両翼99.1m、中堅122mと広さは充分で、収容人員は3,000人、ナイター設備もあり、小規模ながら売店も存在するという、二軍の本拠地としては充実した設備を誇る。
つまり、ファームでもナイトゲームを行うことができ、食事やビールを楽しみながら観戦できるという、日本の二軍本拠地球場では珍しいアメリカのマイナーリーグのような球場だ。
内野は土で、外野およびファウルエリアは人工芝という、かつての阪急西宮球場を彷彿させる。
スコアボードは磁気反転式で、スタンドからは内野にあるブルペンが見られるというのも嬉しい。
ファームとしては申し分のない球場だが、やはりネックとなるのが交通の便の悪さである。
そのため、2010年からはかつての二軍本拠地だった神戸サブ球場との併用となった。
こちらはナイター設備もなく、申し訳程度のスタンドがあるだけの、練習場のような味気ない球場だ。
球場の設備や雰囲気は、絶対にあじさいスタジアムの方が上である。
それだけに、アクセス面でのあまりの悪さが残念でならない。
ウエスタン・リーグの公式戦、あじさいスタジアム北神戸でのナイトゲーム