高田駅からスイッチバックで桜井線に入線すると、また田舎風景に逆戻りする。
とはいえ、3連休の中日とあってか、観光客らしき乗客が多い。
車窓には大和三山の一つである耳成山が見えていた。
桜井線には「万葉まほろば線」という愛称が付いている。
JR西日本は、東海道本線を「JR京都線」や「JR神戸線」という愛称を付けているし、愛称路線が好きな鉄道会社だ。
大体、正式路線名よりも愛称路線名の方が遥かに長いとは、どういうつもりだろう。
この桜井線も難読駅名の宝庫。
「巻向」「櫟本」「帯解」「京終」をどう読むか?と僕が嬉々として問題を出したら、いい加減ウザがられてしまった(>_<)
「帯解」という駅名が色っぽいと思った人がいた。
その人は、悪徳殿様が若い娘の帯をグイグイ引っ張って、
「おやめ下さい、おやめ下さい!あ〜〜れ〜〜〜」
と若い娘が叫びながらクルクル回転している姿を想像したらしい。
想像力が豊かなのか、あるいは貧困なのか(*_*)
実際には、駅の近くにある帯解寺は安産祈願の寺である。
桜井線には、邪馬台国があったのはここではないか?と最近話題になった巻向遺跡があるのだが、それに興味を示す人はいなかった。
桜井線を北上すると徐々に都会風景に戻っていき、12時ちょうどに奈良市の中心駅である奈良駅に着いた。
中心駅と言っても、実際には1kmほど離れた近鉄奈良駅の方が乗降客が多いのだが。
最近、JRの方の奈良駅は改修されて高架駅となり、雰囲気は一変した。
次の電車が発車するまで20分あるので、この間にトイレを済ませた。
実はこのトイレで、紀州路快速に傘を忘れたことが発覚したのだが……。
さらに、売店を探した。
何しろ天王寺を出発して以来、売店には一度も行っていない。
その時間がなかったし、売店がある駅が少なかったのだ。
ホーム下の改札口近くにコンビニがあったが、それは改札口の外だった。
でも、一緒にいた人が駅員さんに許可を求めると、そのコンビニで買い物してもいいと言われ、特別に改札口から出してもらった。
有り難い措置だったが、県庁所在地の中心駅なんだから、駅構内にもキオスクぐらい置いておけよ、と言いたい。
それはともかく、このコンビニでビールと寿司(奈良なのになぜか大阪寿司)を購入すれば、もう発車時刻が迫っていた。
奈良駅に大和路快速がやって来た。
もし出発点の天王寺駅から大和路快速に乗っていれば35分で奈良駅に着いたのに、今回の旅では4時間11分もかかっている。
大和路快速は4列シートで対面にも変更可能なので、寿司や弁当を食べることも可能なのだが、終着駅の加茂駅まであっという間だ。
僅か14分である。
そのため、飲食は控えた。