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ネターランド王国

国王:ハードフォーク安威川トークン

ネターランド王国憲法

第1条 本国の国名を「ネターランド王国(英名:Kingdom of the Neterlands)」と言う。
第2条 本国の国王は「禁句゛(=きんぐ)、戒名:ハードフォーク安威川トークン」とする。
第3条 本国は国王が行政・立法・司法の三権を司る、絶対王制国家である。
第4条 本国の公用語は日本語とする。それ以外の言語は国王が理解できないため使用禁止。
第5条 本国唯一の立法機関は「日記」なる国会で、国王が一方的に発言する。
第6条 本国の国民は国会での「コメント」で発言することができる。
第7条 「コメント」で、国王に不利益な発言をすると言論弾圧を行うこともある。
第8条 「コメント」で誹謗・中傷などがあった場合は、国王の独断で強制国外退去に踏み切る場合がある。
第9条 本国の国歌は「ネタおろし」とする(歌詞はid:aigawa2007の「ユーザー名」に記載)。
第10条 本国と国交のある国は「貿易国」に登録される。
第11条 その他、上記以外のややこしいことが起きれば、国王が独断で決めることができる。

指名打者

今週号の週刊ベースボールでは、指名打者(DH)がテーマだった。
指名打者に関しては、昨年に公式記録員として凄い体験をしたので、そちらを参照されたい↓

http://d.hatena.ne.jp/aigawa2007/20090726/1248625768


ご存知のように、日本プロ野球ではパシフィック・リーグがDH制を採用しており、セントラル・リーグは9人制だ。
北米のメジャー・リーグ(MLB)ではアメリカン・リーグがDH制、ナショナル・リーグが9人制となっている。
週べの記事によると、メジャーのナ・リーグでは、ア・リーグと同様にDH制にすべきではないか、という意見があるようだ。
同じように優勝を争うのだから、ルールが違うのはおかしい、というわけである。


だが、僕はそうは思わない。
日本でもアメリカ(カナダを含む)でも、最高峰リーグが二つ存在するため、ファンはそれぞれ二つの違う野球を楽しむことができるからだ。
ただ、驚くべきことは「ア・リーグが9人制に戻すべきだ」という意見ではなかったということ。
それだけDH制が浸透してきたということだろう。
もし20年前に「ルールを同じにするべき」という意見が出たなら、おそらくそれは「ア・リーグが9人制に戻せ」ということになったと思える。


9人制とDH制、それぞれに面白さがあり、ファンの意見も様々だ。
9人制信望者は、
「接戦の終盤、チャンスで投手に打順が回って来た時、そのまま打たせるか、代打を出すか、その駆け引きこそが野球の醍醐味。DH制はその楽しみを奪う制度だ。それに、松坂大輔のような打撃のいい投手が、打席に立てないのはもったいない」
と言うだろう。
特にオールドファンにはこういう意見が多い。


一方、DH制支持派は、
「プロの投手とプロの打者の対決がプロ野球の魅力。打席に立った投手は、プロの打者とはとても言えない。打席に入った投手が全く打つ気なく、無気力に三振する姿はプロとは言い難い。それに、せっかく好投していても代打に出されるので、完投が減ってしまう」
と言うに違いない。
どちらも一理ある。


作戦面では、9人制の方が難しいだろう。
あと1イニング、0点で切り抜けてくれれば、次の攻撃で投手に打順が回ってくるので、心おきなく代打を出せる。
ところが、こんな時に限ってあと1イニングが踏ん張れず、やむなくリリーフを送ったために投手を一人ムダに使ってしまう。
セ・リーグの監督が一番頭を悩ませる場面だ。


しかし、DH制ではこんなことで悩む必要はない。
ある程度、投手の調子さえ把握しておけば、先発は何回まで、あとはリリーフを用意してクローザーに繋ぐ、という計算が成り立つ。
完投数もパ・リーグが多く、ダルビッシュ田中将大、岩隈、涌井という完投先発型が育つ土壌がある。


監督采配では9人制の方が難しいので、セ・リーグ本拠地では9人制で行われる日本シリーズや交流戦では、パ・リーグの監督は頭を悩ませる。
なにしろ、投手交代時期が予測できない上、普段DHで使っている主力打者をどの守備に就かせるかという問題がある。
攻撃力を落とさないために、守備力に目を瞑って普段DHの選手を起用すると、守備から大きな破綻をきたすとも限らない。
余談ながら、1979〜80年は、広島が近鉄を2年連続で4勝3敗で下し、二連覇を果たしたが、現在のように「パ・リーグ本拠地ではDH制」というルールがあれば、近鉄が連覇していたのではないか、という意見が多い。
当時の日本シリーズでは、全試合が9人制だったのだ。
スポーツに「タラ、レバ」は禁句だが、あり得ない話ではない。
この両年、DHで2年連続ホームラン王に輝いた近鉄のマニエルを、全試合で右翼手として起用しなければならなかったために、その拙守により実力を発揮できなかった、というわけだ。
もっとも、その前年の78年には、マニエルはヤクルトの右翼手として日本一の美酒を味わっているのだが……。


セ・リーグの監督は、DH制になったからと言って困ることはない。
打撃はいいが守備力に劣るためにスタメンから外れている選手を、DHとして起用すればいいだけである。
投手起用も、投手に代打という煩わしい選択を迫られることはない。
精神的にもDH制は楽なはずだ。


となると、9人制とDH制が半々に行われる日本シリーズや交流戦はセ・リーグ優勢となるはずだが、そうはならないのが野球の面白いところ。
日本シリーズで、パ・リーグ本拠地での試合でDH制が敷かれるようになったのは87年からだが、それからはパ・リーグが12回優勝、セ・リーグが11回優勝で、パ・リーグが僅かにリード。
まあ、これはほぼ互角と言っていいが、もっと意外なのは交流戦。
2005年から始まった交流戦では、昨季までパ・リーグが427勝418敗19分と勝ち越し。
それだけではなく、5年間の交流戦優勝チームは全てパ・リーグから出ていて、しかも4年連続パ・リーグの勝ち越しで、セ・リーグが勝ち越したのは去年のみ。
それに、この期間の主力選手は、逆指名ドラフトによりセ・リーグに好選手が集まっていたので、なぜこういう結果になったのかは全くの不明だ。
ひょっとすると、セ・リーグの投手は、一番から九番まで強力打者が並ぶ打線に慣れていなくて、「九番・投手」という”休憩所”がないために、苦労するのだろうか。
しかし、それに結論を求めるのは早計で、もっと大きな理由があるのかもしれない。


野球界に初めてDH制がお目見えしたのは73年のメジャーでのア・リーグでのこと。
アメリカン・フットボール(NFL)に人気面で後塵を拝し、人気回復策として打撃戦で客を売り込もう、という戦略だった。
エクスパンション(球団拡張)により球団数が増え、投手が足りなくなった、という事情もある。
日本でも観客数低迷に喘いでいたパ・リーグが、75年から採用した。
セ・リーグではDH制に反発、長らくは日本シリーズやオールスター戦でのDH制採用には断固反対だった。
象徴的だったのは83年のオールスター戦で、この年に限り全試合でDH制を採用したが、セ・リーグ側が反対の姿勢を崩さず、自軍はDH制を使わなかった。
結果、パ・リーグの3連勝となり、セ・リーグの頑迷な態度に批判が集中した。
ちなみに、現在のオールスター戦ではセ・パいずれの本拠地でも、DH制が採用されている。
メジャーのオールスター戦では、ナ・リーグ本拠地では9人制、ア・リーグ本拠地ではDH制だ。


元々は「人気取り」のプロの営業面での思惑で発案されたDH制だが、意外にも本来営利目的とは無縁なはずアマチュア野球で、早い段階からDH制が採用された。
80年に日本で開催された世界アマ野球選手権では、既にDH制が採用されていた。
ちなみにこの時の全日本の主力メンバーは、原辰徳(当時、東海大)、石毛宏典(当時、プリンスホテル)である。
今から30年も前に、セ・リーグやナ・リーグが反対していた営利目的のDH制を、アマ野球が容認していたのだ。


現在の野球の流れでは、完全にDH制だと言える。
NPBの二軍では、セ・リーグ本拠地では9人制、パ・リーグ本拠地ではDH制である。
独立リーグと社会人野球では、いずれもDH制だ。


大学野球でも、ほとんどがDH制。
老舗リーグの東京六大学野球連盟と、関西学生野球連盟(関西学生野球は正確には老舗リーグとは呼べないのだが、関西の大学野球事情の複雑さは散々書いてきたので、ここでは触れない)だけは、9人制を守っている。
全国大会では、全日本大学選手権ではDH制、明治神宮大会では9人制だ。
高校野球ではご存知のようにDH制は採用されておらず、9人制である。
もし高校野球でDH制が採用されるなら、大きな反発を呼ぶだろう。
高校野球では未だに「エースで四番」が少なくない。


今週号の週べでのスレッジのインタビュー記事では、興味深い発言が載っていた。
「アメリカの学生野球の場合、たいてい一番いいピッチャーは、一番いいバッターだからね」
これは、日本とほぼ同じ野球事情だ。
「子供の頃から、エースで四番〜♪」
という構図が、アメリカでも同じだというのである。
つまり、学生レベルではDH制を採用せず、あらゆる可能性を試した方がいいのではないか、ということだ。


今から約30年前、長嶋茂雄がキューバ視察した時、「少年野球の段階で、キューバと日本では野球事情が全く違う」と言っていた。
キューバの少年野球では、よく打つ選手から順番にポジションを与えられる、というのだ。
その際に守備力を問われることはなく、最も打てない選手が投手となるそうだ。
「野球は攻撃優先」という考え方で、守備力は二の次とされていたのだ。
つまり「エースで四番」という選手が存在しない。
当時は前述したとおり、世界アマ野球ではDH制が採用され、しかも金属バットだったのだからこその思想だったのかも知れない。
アマ野球でも金属バットが禁止された今、現在のキューバではどんな選手育成をしているのかはわからないが、DH制について批判的な意見はないだろう。


ちなみに、韓国プロ野球(KBO)では82年のリーグ発足時からDH制を採用しているが、なんと韓国高校野球でも04年からDH制になったという。
いくらなんでも、これはやり過ぎではないか。
ハイスクールレベルで専門化してしまうと、将来の伸びしろを限定してしまう。
スレッジの言葉ではないが、ティーンエイジャーは可能性を追求する方がいい。


僕が考える、DH制と9人制の使い分けは以下の通り。


○国際大会では、DH制を採用。
○オールスター戦では、DH制を採用。
○国(あるいは地域)の最高レベルのリーグでは、DH制と9人制のいずれかを採用するのは、その国(あるいは地域)の野球に対する理念によって決定される。
○国(あるいは地域)に最高レベルのリーグが二つ存在するならば、片方のリーグが9人制、もう片方のリーグがDH制というのが理想。
○ファーム、独立リーグ、独立チーム、セミプロ(社会人)では、選手育成のためDH制を採用。
○学生野球(大学、高校を含む)では、可能性を拡げるため、9人制を採用。
○高校未満でも、もちろん9人制を採用。