本来、一日に二つの日記を書くことはないのだが、どうしても納得がいかないことがあったので書くことにした。
センバツ一回戦、広陵×立命館宇治の一戦。
7−5で広陵が2点リードのまま、九回裏の立命館宇治の最後の攻撃を迎えた。
2点を追う立命館宇治は、先頭打者が出塁して無死一塁、同点への足掛かりを掴んだ。
ここで次打者が行った作戦は、なんと送りバント。
なんで2点ビハインドの九回無死一塁で、送りバントをする必要がある!?
九回で2点リードされている場面である。
最低でも2点取らなければ負けてしまうのだ。
そんな場面で1点を取りに行っても、何の意味もない。
これが八回以前ならまだ話はわかるが、2点を取らなければ負けてしまう九回の話である。
こんな作戦、無意味どころか自殺行為である。
アウトをタダで一つ、敵にあげるのだから。
これが一、二塁なら話はわかる。
二人の走者をスコアリング・ポジションに送れば、次打者のヒットで同点に追い付くことも可能だ。
しかし、2点ビハインドで一人の走者をアウトと引き換えに次の塁を奪っても、全く意味はないのである。
この場面で打者のすることはただ一つ、出塁することだ(もちろん、2ランホームランを打って同点にすることが最上だが、そう上手くいくことはメッタにない)。
2点ビハインドの九回なら、とにかく二人以上の走者を貯めることが先決である。
一人だけの走者を進塁させても、全く意味がない。
このケースでの送りバントで唯一意味があるとすれば、ダブルプレーを防げることだろう。
たとえそうだとしても、アウトを一つ敵にあげる作戦としては、あまりにもリスクが大きすぎる。
ハッキリ言うと、こんなのは野球ではない。
まさしくド素人の作戦である。
本当に、こんなバカげた作戦を命じた監督は、野球を知っているのか、と言いたい。
野球の作戦というより、小学生レベルの算数の問題である。
2点ビハインドの九回、敵にアウトを一つあげて、二塁に走者を進めても状況は悪くなるばかりだ。
極端な言い方をすれば、敗退行為とも取れる。
もちろんこの作戦を命じた監督はそんなつもりはないのだろうが、選手を指導する立場なのならこの程度のセオリーは押さえておいて欲しいものだ。
この場面をテレビでは見ていなかったのだが、NHKの解説者はこの作戦をちゃんと批判したのだろうか?
おそらく、していないのだろうな。
NHKの高校野球解説者レベルでは、送りバントを批判することはタブーに等しく、どんな場面でも送りバントを金科玉条とする雰囲気が漂っているのだから。
しかしそれは解説者としては失格で、批判するところはちゃんと批判して欲しい。
誰か、この場面で解説者がどんな解説をしていたか、知っている人はいませんか?
<追記>
下記のコメントにあるdamachoさんの情報によると、セーフティ気味のバントだったそうです。
セーフティバントなら、この場面でもおかしくはありません。
もしセーフティバントだったのなら、関係者には申し訳ない書き方をしました。
謹んでお詫び申し上げます。