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安威川敏樹のネターランド王国

お前はチョーマイヨミか!?

ネターランド王国憲法

第1条 本国の国名を「ネターランド王国(英名:Kingdom of the Neterlands)」と言う。
第2条 本国の国王は「禁句゛(=きんぐ)、戒名:安威川敏樹」とする。
第3条 本国は国王が行政・立法・司法の三権を司る、絶対王制国家である。
第4条 本国の公用語は日本語とする。それ以外の言語は国王が理解できないため使用禁止。
第5条 本国唯一の立法機関は「日記」なる国会で、国王が一方的に発言する。
第6条 本国の国民は国会での「コメント」で発言することができる。
第7条 「コメント」で、国王に不利益な発言をすると言論弾圧を行うこともある。
第8条 「コメント」で誹謗・中傷などがあった場合は、国王の独断で強制国外退去に踏み切る場合がある。
第9条 本国の国歌は「ネタおろし」とする(歌詞はid:aigawa2007の「ユーザー名」に記載)。
第10条 本国と国交のある国は「貿易国」に登録される。
第11条 本国の文章や写真を国王に無断で転載してはならない。
第12条 その他、上記以外のややこしいことが起きれば、国王が独断で決めることができる。

チョンボ

よく仕事上でのミスがあると「アイツ、またチョンボしやがって……」などと言う。
野球でも単純な走塁ミスやサインの見落としがあった場合「チョンボ」という言葉を用いる。


要するに、普通では犯さないケアレスミスを「チョンボ」と言うわけだが、本来の意味はミスというわけではない。
チョンボとはご存じのとおり麻雀用語だが、漢字では「錯和」もしくは「沖和」と書く。
つまり錯覚の和了(ホーラ=アガリ)のことを「チョンボ」と呼ぶわけで、本来は和了できない形で和了を宣言した時に適用され、その場合は罰金が科せられる。
初心者がよく犯す過ちなので、転じて簡単な失敗のことを「チョンボ」と呼ぶようになったのだろう。
なお、麻雀では「チョンボ」という言葉をもう少し広く、ルール違反という意味にも使われる。


麻雀は将棋などとは異なり、同じ種類の牌を使っていても様々なルールがある。
たとえば日本で行われている麻雀と、中国や香港の麻雀ではルールは全く異なる。
基本的な組み合わせは同じだが、役に対する考え方と種類などが全く違うのだ。


いや、日本国内においても様々な麻雀ルールが存在する。
現在の日本ではリーチ麻雀が主流だが、それとは全く違うブー麻雀などもあり、フリー雀荘(他人と麻雀を打つ雀荘のこと。仲間内4人で行く雀荘のことは「貸卓専門」と言う)に入る時はルールの確認が必要だろう。
そのリーチ麻雀でさえ、東京と大阪では大きく違うのだ。
よく知られているのが「ピンフ・ツモ」の解釈である。


ピンフとは「平和」と書き、ピースの意味とは何の関係もないが、要するに「平らな和了」という意味だ。
役の定義としては、符が付かないことが大前提となる。
つまり、雀頭以外は全て順子(シュンツ)で構成されており、雀頭(アタマ)は役牌であってはならず、必ず両面(リャンメン)待ちであり、門前聴牌(メンゼンテンパイ)が条件だ。


たとえば子供がピンフのみをロンアガリ(他人からの放銃)したとすると、


20符(副底)+10符(門前加符)=30符
30符×4(子供)×2(ピンフ一飜)×2×2(両ゾロのバンバン)=960≒1000点(60点を切り上げ)


という得点になる。
麻雀では最も単純な得点計算だ。
ちなみに親の場合は960に1.5を掛けて1440≒1500点(40点を切り上げ)となる。


問題はツモアガリ(自分でアガリ牌をツモってきて和了を完成させること)の場合だ。
この場合は門前加符の10符は付かないものの、ツモの2符が付いてしまう。
これはピンフの原則に反するため、東京ではツモの2符は付けず、ピンフ・ツモの二飜として扱う。
子供の場合の計算はこうなる。


20符(副底)×4(子供)×2(ピンフ)×2(門前清自摸=メンゼンツモ)×2×2(両ゾロのバンバン)=1280≒1300点(80点を切り上げ)


なお、このケースを競技麻雀などでは自摸八(ツモハチ)と呼び、「ピンフ・ツモ」の二飜役と言うよりは、80符をベースとした二飜相当の特殊役という解釈のようだ。
つまり、25符二飜と計算される七対子(チートイツ)のような特殊役というわけである。
よく誤解されるが、七対子とは50符一飜役ではなく、100符をベースとした二飜相当役だ。
したがって、二飜シバリの時でも七対子のみで堂々と和了できるし、ハネ満以上では二飜と計算される。
それは自摸八でも全く同じだ。


ところが、大阪ではピンフ・ツモの解釈が異なる。
つまり、ピンフという役は「符が付かない」というのが大前提なのだから、ツモの2符が付くツモアガリはピンフではない、というわけだ。
言いかえれば、ピンフの形でツモアガリすればメンゼンツモという役は当然生まれるが、ピンフという役は消えるというわけである。
得点計算は以下のようになる。


20符(副底)+2符(ツモ)=22符≒30符(2符を切り上げ)
30符×4(子供)×2(メンゼンツモ)×2×2(両ゾロのバンバン)=960≒1000点(60点を切り上げ)


つまり、ツモアガリでもロンアガリでも全く同じ1000点というわけだ。
同じ形でも東京では1300点、大阪では1000点と、300点の差がつく。
300点ぐらい大したことはない、と思うかも知れないが、ハネ満を超えると大きな差になる。


たとえば東京でメンタンピン(リーチ・タンヤオ・ピンフ)にサンショク(二飜)が絡んで、ツモアガリすれば六飜で文句なしのハネ満。
子供なら12000点、親なら18000点になる。
ところが大阪ではツモアガリするとピンフが消えるから五飜となり、満貫にしかならない。
子供で8000点、親で12000点止まりだ。
同じ形でも大阪だと4000〜6000点も損になるのだ。


さらにこれ以外でも、東京と大阪では大きくルールが異なる点がある。
東京では「アリアリ」ルールを採用しているところがほとんどだ。
「アリアリ」とは、食いタン、後付けを認める、ということである。
食いタンとは、チーやポンをしてもタンヤオという役を認めるということ。
後付けとは、役が確定していなくても、和了した時に役ができていればOKということだ。
現在の日本の麻雀では一飜シバリと言って、役がなければ和了することはできない。
逆に言えば、役さえできていれば堂々とアガれるというわけだ。


ところがこの大原則が大阪では通用しないところが多い。
大阪では「ナシナシ」ルールが未だに多勢を占めるからだ。
「ナシナシ」とは、食いタン、後付けを認めない、ということである。
食いタンを認めない、ということは、ピンフと同じようにタンヤオでも門前聴牌が絶対条件、ということだ。
それ以上に大きいのが、後付けを認めない、ということである。
これを「完全先付け」ルールと言い、たとえ和了時に役ができていても、それまでに役が確定していないと和了とは認めない、というものだ。


たとえば、役とは関係ない牌を哭いた(ポンやチーをすること)あと、中(チュン)などの役牌をポンして和了した場合、中しか役がなければ和了は認められないのである。
哭いた時点では役が確定していないので、この和了は認められない、というわけだ。
しかし、中を暗刻(アンコ)で持っていると、役が確定しているとして和了が認められる。


あるいは、ダマ聴(門前聴牌していてもリーチをかけていない状態)で門前ロンアガリの時にこういうケースがある。
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下の三萬(サンワン)がアガリ牌というペンチャン待ちで、これをアガればチャンタ(二飜)・サンショク(二飜)の計四飜で満貫という大きな手である。
もちろん、東京でも大阪でも満貫として堂々と和了できる。


ところが、同じ形で和了しても、下の場合では東京と大阪で解釈が異なる。
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一萬(イーワン)・四萬(スーワン)待ちという両面待ちだが、一萬でロンアガリすれば上記と全く同じ形のチャンタ・サンショクで満貫である。
当然、東京ではこの和了は認められる。
ところが、大阪ではたとえ一萬でロンアガリを宣言しても、チョンボとして罰金を取られるのだ。
なぜなら、もう一つの四萬では役がなく、和了できないからだ。
この場合、ナシナシルールでは役が確定していない、と判断されるのである。
和了した形は上記と全く同じなのに、東京では満貫、大阪ではチョンボと、まさしく天国と地獄だ。
もちろん、四萬だと役がないので、大阪はもちろん東京でもロンアガリできない。
ただし、門前聴牌なので四萬でもツモアガリなら東京でも大阪でも和了は認められる。


では、下の場合はどうか。
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雀頭が中から九索(チューソウ)に代わっただけだが、これが大きな変化となる。
まず、もし一萬でアガればチャンタ(二飜)という役がジュンチャン(三飜)という役に格上げとなり、さらに雀頭が役牌から普通の牌になったことでピンフという役が生まれる。
つまり、ジュンチャン(三飜)・サンショク(二飜)・ピンフ(一飜)の計六飜でハネ満となるわけだ。
当然、東京では堂々たるハネ満だが、大阪の場合はどうか。
このケースでは、大阪でもロンアガリが認められ、ハネ満となる。
なぜなら、四萬で和了した場合ジュンチャン・サンショクという役は消えるが、ピンフという役はどちらでアガっても成立するからだ。
つまり、役が確定しているわけで、この場合では完全先付けルールでも堂々と和了できる。
このケースでは、一萬でアガると子供でも12000点だが、四萬でアガるとピンフのみの1000点となる。
つまり、一萬でアガれば四萬の12倍の価値があるわけだ。


この他にも、東京では認められているフリテンリーチも、大阪では認められていないケースが多い。
東京で麻雀を打っている人にとっては理不尽なルールだろうが、大阪に来て麻雀を楽しみたいと思っている人は憶えておいた方がいい。
ただし、最近ではネット麻雀の普及もあり、大阪でも東京ルールの雀荘は多くなっているのが現状のようだ。


ちなみに僕は、大阪ルールよりも東京ルールの方が好きである。