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安威川敏樹のネターランド王国

お前はチョーマイヨミか!?

ネターランド王国憲法

第1条 本国の国名を「ネターランド王国(英名:Kingdom of the Neterlands)」と言う。
第2条 本国の国王は「禁句゛(=きんぐ)、戒名:安威川敏樹」とする。
第3条 本国は国王が行政・立法・司法の三権を司る、絶対王制国家である。
第4条 本国の公用語は日本語とする。それ以外の言語は国王が理解できないため使用禁止。
第5条 本国唯一の立法機関は「日記」なる国会で、国王が一方的に発言する。
第6条 本国の国民は国会での「コメント」で発言することができる。
第7条 「コメント」で、国王に不利益な発言をすると言論弾圧を行うこともある。
第8条 「コメント」で誹謗・中傷などがあった場合は、国王の独断で強制国外退去に踏み切る場合がある。
第9条 本国の国歌は「ネタおろし」とする(歌詞はid:aigawa2007の「ユーザー名」に記載)。
第10条 本国と国交のある国は「貿易国」に登録される。
第11条 本国の文章や写真を国王に無断で転載してはならない。
第12条 その他、上記以外のややこしいことが起きれば、国王が独断で決めることができる。

東京vs大阪、高校野球対決

今日(3月21日)、第86回選抜高等学校野球大会が開幕した。

開幕日の第3試合で大阪の私学強豪である履正社と、都立高としてはセンバツ初出場の21世紀枠・東京の小山台が対戦し、履正社が11-0で大勝した。

私学強豪と21世紀枠の公立校ではこの結果も仕方がないが、とにもかくにも東京vs大阪という「二都対決」で大阪が東京に勝利したのである。

 

何かと比較される、東西の大都市である東京と大阪。

先日、ネットで行われたアンケートでも「47都道府県で、ライバルはどことどこか?」という問いに対し、1位だったのが東京都vs大阪府だった。

僕も大阪出身なので「大阪好き、東京嫌い」という故・やしきたかじんのような人物だが、高校野球に関してはあまりいい思い出がない。

 

僕が初めて野球を見始めたのは1976年(昭和51年)からだが、この年の夏の高校野球の決勝戦では、西東京桜美林が大阪のPL学園に延長11回の末4-3でサヨナラ勝ちしている。

僕はPLがある富田林市出身なので、悔しさは倍増だった。

しかもこの年、プロ野球では阪神タイガース読売ジャイアンツと激しく優勝争いをしたものの、あと一歩で優勝を巨人にさらわれた。

僕の「東京憎し」の怨念は、この年に培われたのだろう。

 

その後も、大阪勢は東京勢に対して分が悪かった。

それが顕著だったのが80年(昭和55年)のこと。

春のセンバツでは強打で鳴らした大阪の北陽(現・関大北陽)が、一回戦で東京の帝京に2-0で完封負け。

帝京の二年生エース・伊東昭光に軽く捻られたのだ。

それでも北陽は夏の大阪大会を勝ち抜いて春夏連続甲子園出場。

強打にさらに磨きをかけ、優勝候補の呼び声が高かった。

だが、またしても一回戦で、帝京を破って甲子園出場した早稲田実業に6-0の完封負け。

しかもこの時は、早実の一年生投手・荒木大輔に1安打完封負けを喫したのだ。

強打を売り物にしていた北陽打線が、春夏とも東京の下級生投手から1点も取れなかったのである。

大阪の高校は永久に東京の高校には勝てないのではないか、とすら思ったほどだ。

 

高校野球だけではない。

この年、初めて高校ラグビーを見たのだが、花園の準決勝で東京の国学院久我山大阪工大高(現・常翔学園)が対戦し、3-3の引き分けだったものの大工大が抽選負け。

抽選でも大阪は東京に勝てなかったのだ。

その後も大阪の雄・大工大久我山や目黒(現・目黒学院)には勝てず、ラグビーでも大阪の高校は東京に勝てないのか、と落胆した。

 

さらに高校サッカーでも、当時は帝京と北陽がライバル同士と言われていたが、帝京がいつも北陽に勝っていたイメージがある。

野球だけでなく、サッカーでも北陽は帝京に負けていたのだ。

 

大阪が東京に対して分が悪いのは、必要以上に東京を意識するから、と言われたものだ。

確かに、大阪人は東京に対して異常なまでのライバル意識を燃やす。

一方の東京人は、大阪なんて単なる地方都市の一つに過ぎない、と思っているのだ。 

そこで、東京VS大阪の甲子園での戦績を調べてみた。

 

 

春のセンバツ 東京vs大阪

1924年(第 1回)準決勝 早稲田実6-5市岡中

1950年(第22回)準々決 北野7-5明治

1954年(第26回)準々決 泉陽3-1早稲田実

1955年(第27回)一回戦 浪華商6-0立教

1957年(第29回)二回戦 早稲田実1ー0寝屋川

1961年(第33回)一回戦 浪商8-0日大二

1964年(第36回)二回戦 浪商7-2日大三

1965年(第37回)二回戦 PL学園4-2荏原

1969年(第41回)一回戦 浪商16-1日体荏原

1971年(第43回)決勝戦 日大三2-0大鉄

1980年(第52回)一回戦 帝京2-0北陽

1982年(第54回)決勝戦 PL学園15-2二松学舎大付

1984年(第56回)決勝戦 岩倉1-0PL学園

1987年(第59回)一回戦 関東一5-0市岡

1987年(第59回)準々決 PL学園3-2帝京(延長11回)

1987年(第59回)決勝戦 PL学園7-1関東一

1990年(第62回)一回戦 北陽4-3帝京

1994年(第66回)一回戦 PL学園10-0拓大一

1998年(第70回)二回戦 PL学園9-0創価

2002年(第74回)一回戦 大体大浪商5-4二松学舎大付

2004年(第76回)一回戦 大阪桐蔭5-0二松学舎大付

2014年(第86回)一回戦 履正社11-0小山台

全22戦 東京6勝 大阪16勝

 

夏の選手権

1916年(第 2回)決勝戦 慶応普通部6-2市岡中

1917年(第 3回)一回戦 慶応普通部5-3明星商

1946年(第28回)準決勝 浪華商9-1東京高師付中

1951年(第33回)一回戦 都島工7-5早稲田実

1957年(第39回)二回戦 早稲田実1-0寝屋川(延長11回)

1962年(第44回)二回戦 日大三5-2PL学園

1976年(第58回)決勝戦 桜美林4-3PL学園(延長11回)

1980年(第62回)一回戦 早稲田実6-0北陽

1987年(第69回)準決勝 PL学園12-5帝京

1989年(第71回)二回戦 上宮1-0東亜学園

1991年(第73回)準々決 大阪桐蔭11-2帝京

2003年(第85回)一回戦 PL学園13-1雪谷

2004年(第86回)二回戦 日大三8-5PL学園

2006年(第88回)二回戦 早稲田実11-2大阪桐蔭

全14戦 東京8勝 大阪6勝

 

春夏通算 全36戦 東京14勝 大阪22勝

(2014年3月21日現在)

 

 

という結果になった。

春は大阪が圧倒し、夏は東京が競り勝っている、という図式だ。

通算では大阪がリードしている。

 

春の対戦が多いのは、春は大阪から2校、出場するケースが多いからだろう。

夏は東京からは東西2校出場するが、大阪からは10年毎の記念大会以外では1校のみ。

さらに、夏に比べて春は出場校数が少ないので、東京と大阪が対戦する可能性が増える。

春は大阪勢が8連勝中というのはちょっと驚きだ。

 

年度別で興味深いのは1957年。

この年は春夏ともに東京の早稲田実と大阪の寝屋川が対戦し、いずれも早実が1-0で勝っている。

実はこの年の早実のエースは、二年生だった王貞治

当時の王は珍しかったノーワインドアップからの投球で打者を翻弄し、夏の寝屋川戦では延長11回を投げきってノーヒット・ノーランを達成。

寝屋川は王から春夏を通じて20イニングで1点も取れなかった。

この年、王を擁する早実は春のセンバツを制した。

 

1987年には、東京と大阪が春に3度、夏に1度対戦している。

春の二回戦では、東京の関東一が大阪の市岡に5-0で完封勝ち。

しかし準々決勝、大阪のPL学園が東京の帝京に延長11回の末サヨナラ勝ち。

さらに決勝戦でPLは、関東一を7-1で破って優勝している。

しかも夏の準決勝でPLは再び帝京と対戦し、12-5で圧倒した。

この年、PLは春夏連覇を果たした。

 

あと、記憶に新しいのは、2006年夏の早稲田実×大阪桐蔭の激突。

早実のエース・斎藤佑樹と、大阪桐蔭の二年生四番・中田翔との対決。

結果はハンカチ王子・斎藤がヤンチャな中田翔を4打席無安打3三振に斬って取り、早実大阪桐蔭を11-2で圧倒した。

その後、早実は決勝戦で田中将大を擁する駒大苫小牧を再試合の末に破って、夏初制覇を果たした。

 

今回、調べてみて意外に思ったのは、大阪勢の公立校の多さである。

市岡(3回)、北野、泉陽、寝屋川(2回)、都島工と、延べ8校にも及び、東京勢(いずれも私学)に対し3勝5敗と健闘している。

一方の東京の公立勢は雪谷と小山台(21世紀枠)の2校だけで、もちろん大阪勢に2連敗。

そもそも、東京の公立勢は未だに甲子園で1勝も挙げていない。

大阪では府立校の北野がセンバツで優勝を果たしている。

 

元々、大阪の伝統ある府立校は進学率が高く、しかも文武両道を標榜している高校が多い。

一方の東京は、進学率が高いのも私学、スポーツで活躍するのも私学だ。

そのせいかどうかは知らないが、東京の高校野球のトーナメント表では「都小山台」などと、わざわざ「都」を頭に付ける。

そんなに都立高であることをアピールしたいのだろうか。

逆に東京のコンプレックスが感じられる。

 

それはともかく、大阪が東京に対してリードしているのは、やはり大阪が野球王国という証明なのかも知れない。

 

 

三塁への牽制偽投禁止

また週刊ベースボールで連載している野村克也執筆のコラム「本物の野球はどこへ行った!」について触れたい。

以前にもこちらで同コラムを取り上げたが、今回は3月31日号に掲載されているコラムから。

 

今年から三塁への牽制偽投がボークになったが、このルール変更がノムさんは気に入らないらしい。

偽投禁止の理由の一つに、試合時間短縮というのがあるが、これをノムさんは「ネット裏から出てきた話だ」と予想している。

野球を知らず、勝敗にも関係ない記者が早く帰りたいから試合時間短縮などと言い出すのだ、というのがノムさんの論理だ。

 

そんな馬鹿な話はない。

そもそも、記者に公認野球規則を変更する力などあるはずがないではないか。

 規則変更の理由は簡単で、アメリカでは既に去年からこのルールに変更されているからだ。

ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が始まり、野球の国際化がますます進んでいるのに、日本の古いプロ野球関係者なぜいつまでも国際オンチなのだろう。

 

ノムさんは「野球はサッカーなどと違って時間制のスポーツではない。その本質をわかっていない」と書いているが、時間制のスポーツではないからこそ、スピードアップの意識が必要なのだ。

サッカーでは選手がいくらダラダラしていてもタイムアップになれば試合は終わるが、野球でダラダラしていたらいつまで経っても試合は終わらない。

 

サッカーの試合時間は前後半各45分で合わせると1時間半、ハーフタイムのインターバルとアディショナル・タイムを含めても2時間で終わってしまう。

この時間は現代人に合っていると言ってもよい。

テレビ中継でもちょうどいい時間だし、大幅な中継延長も必要ない。

ただ、CMを入れるタイミングがハーフタイム以外にないというのが難点だが。

 

一方、プロ野球の試合時間は平均で3時間を超えている。

これは現代人の感覚からは明らかに長すぎる。

しかも試合が3時間で終わる確証はないので、地上波中継をやりにくい。

時間制ではないのが野球の醍醐味でもあるのだが、だからと言ってダラダラ試合をしていたら、野球ファン以外は野球など見向きもしないだろうし、新たなファンを獲得できない。

いや、野球ファンだってダラダラした試合運びはウンザリするし、ファン離れにも繋がってしまう。

プロ野球OBはそういう感覚が欠如していると言っていい。

 

そもそも、日本のプロ野球の試合時間が長くなったきっかけは、スパイ野球の横行からだ。

サイン覗きなどという姑息な手段を用いるからサインが複雑になって交換が長くなり、試合がダラダラと間延びする。

野球とは無縁の行為であり、ファン無視以外の何物でもない。

そんなスパイ野球を推進したのが、他ならぬノムさんではなかったか。

ノムさん南海ホークスの監督兼捕手をしていた頃の、パシフィック・リーグの不人気ぶりをノムさんが知らぬわけがない。

 

牽制偽投というのも、結局は相手を騙してやろうという発想だ。

そんな考え方で、本当に強くなれるわけがない。

ノムさんは「三塁への偽投はスクイズを見破るための有効な手段だ」と書いているが、逆に言えばその程度のことである。

スクイズを見破る方法は他にもあるだろう。

 

ボークの規制が厳しくなると、日本の指導者は「どこまでがボークなのか。この動きはボークではないのか」と審判員にしつこく訊いてくるらしい。

そうではなくて、紛らわしい動きをするのがボークなのに。

紛らわしい動きが横行するからやむなくボークの規制が厳しくなるのだが、こんな質問をする指導者は、なんとかして走者を騙してやろうという魂胆しかないのだろうか。

こんな考え方こそが野球の本質からかけ離れていると言えるだろう。

今回の三塁への牽制偽投禁止も同じことだ。

投手の本質は、打者に投げて打ち取ること。

でも盗塁を防ぐために牽制球が認められている。

そういう野球の基本を理解していれば、相手を騙してやろうという発想は出て来ないはずなのだが。

 

野球は本来、隠すのではなく見せるものなのだ。

作戦なんてどうぞ読んでください、というぐらいの気持ちで。

そのためにはスピード感覚を身に付ける方がよほど大事だ。

キャッチャーが完璧なリードをし、ピッチャーが要求通りのコースへ投げても、打者の力が上回ればホームランになってしまうのが野球である。

また、キャッチャーが完璧なリードをしても、ピッチャーが逆球を投げてしまうことも少なくない。

そして、逆球でも打ち取ってしまう場合があるのもまた野球である。

そう考えると、ダラダラと長考し複雑なサイン交換した挙句、打たれてしまったら何のための長いサイン交換かと思ってしまう。

それならば、打者に考える隙を与えずにサッサとサイン交換してサッサと投げる方が、どれだけ有効かわからない。

野球とは、守備の時間が短いチームが勝つようになっているゲームである。

 

以前にも書いたと思うが、野球とは囲碁や将棋のようなゲームではなく、麻雀に近い。

囲碁や将棋では一手に何時間もかけることがあるが、理詰めの勝負である囲碁・将棋は時間をかけた方がいい手が浮かぶ場合が多い。

囲碁や将棋には偶然的な要素がないからだ。

だが麻雀では一手にかける時間は1、2秒ほどで、10秒も考えると長考と言われて他の人から忌み嫌われる。

麻雀だって理詰めのゲームではあるが、それでも長考した挙句、大きな手に振り込むということがよくある。

麻雀では最善手を思いついたからといって、それが裏目に出ることは珍しくない。

長考して振り込むならば、長考した意味がないばかりか他の人にも迷惑をかける。

だから麻雀では物事を瞬時に判断するスピード感覚が求められるのだ。

 

野球も全く同じである。

時間をかけて最高の作戦を思い付いても、その作戦が失敗するのはよくあることだ。

それならば、何事もスピーディーに運んだ方が試合も面白くなるし、内容も濃くなる。

その方がファンにとってもいいということは言うまでもない。

瞬時に物事を判断する、という視点が日本のプロ野球には欠けているのではないか。

 

野球というスポーツの性質上、結果的に試合時間が長くなるのは仕方ないが、内容が濃ければ試合時間が長くなってもファンは手に汗握る醍醐味を味わうだろう。

だが、日本のプロ野球は時間制限がないという野球のルールを悪用して、あまりにもダラダラした試合運びをしすぎた。

しかも、プロ野球OBにはそれを反省する意識を持った人がほとんどいないと言っても過言ではない。

おそらくファンという存在を意識したことがないのだろう。

 

何かノムさんばかりを攻撃しているようで申し訳ないのだが、実際にはこのコラムではいかにもノムさんらしい含蓄があることも書いているのである。

このコラムではないが、以前ノムさん王貞治と対談した時に、こんな会話を交わしていた。

ちょうどJリーグが発足した頃である。

 

王「選手が一生懸命にプレーをすれば、ファンの共感を呼び、球場にファンが来てくれると思う。ショーアップなんて必要ない」

野村「アンタはそんなことを言っているからお坊ちゃんなんだ。巨人は黙っていても球場が満員だったからそんな発想しか出て来ない。プロ野球ももっとショーアップして面白さをファンにアピールしなければ、いずれサッカーに食われてしまうよ」

 

この議論、どう考えてもノムさんが正しい。

ノムさんもちゃんとファン離れの危機を感じているのである。

これはかなり前の対談だが、最近のインタビュー記事でも似たような危機感を抱いているようだ。

 

それだけに、今回のような野球人のマスターベーション的なコラムを書いているのが残念でならない。